応急住宅は三つあります ── 建設型・自宅敷地内型・賃貸型と、業者が関わるところ
01三つあります。担当も別々です
| 建設型(団地) | 自宅敷地内型 | 賃貸型 | |
|---|---|---|---|
| どこに住むか | 市町村内に整備される仮設団地 | 自分の家の敷地 | 民間の賃貸住宅 |
| 誰が建てる・借りる | 県が整備 | 県が設置 | 県が借り上げて無償提供 |
| 県の担当 | 住宅課 計画班 | すまい対策室 応急仮設住宅班 | すまい対策室 みなし仮設住宅班 |
| 相談の窓口 | 被災した市町村 | 被災した市町村 | 被災した市町村 |
| 入居できる期間 | 原則2年以内 | 原則2年以内 | 入居日から2年以内 |
| 建設業者の関わり | 県の発注する整備工事 | 敷地が入るかの見極め、住宅再建との調整 | 直接はありません。ただし説明を求められます |
対象になるのは、いずれも災害救助法が適用された20市町村です。八代市、水俣市、山鹿市、菊池市、宇土市、上天草市、宇城市、天草市、合志市、美里町、大津町、菊陽町、西原村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町、氷川町、芦北町、津奈木町。熊本市にも災害救助法は適用されていますが、救助実施市なので、市が別に実施しています。ここを取り違えると、案内した先が違うことになります。
02建設型は、もう建っています
県は建設型応急住宅の進捗を、団地ごとに公表しています。令和8年9月3日時点の内容は次のとおりです。
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 令和8年8月3日 | 宇城市、氷川町で最初の建設工事に着手 |
| 令和8年8月9日 | 美里町で着手 |
| 令和8年8月10日 | 氷川町で2団地の追加整備に着手 |
| 令和8年8月11日 | 八代市で最初の着手 |
| 令和8年8月13日 | 氷川町で1団地の追加整備に着手 |
| 令和8年8月18日 | 八代市、甲佐町で着手 |
| 令和8年8月22日 | 八代市、宇土市、美里町で着手 |
| 令和8年8月26日 | 八代市、氷川町で着手 |
| 令和8年8月29日 | 宇土市、宇城市で着手。同日、氷川町吉本仮設団地が完成 |
| 令和8年9月5日 | 氷川町吉本仮設団地で入居者への鍵引渡し式(予定) |
地震から6日で最初の着手、1か月あまりで最初の完成という速さです。県は「今後、市町村と連携しながら整備を行っていきます」としており、着手は続いています。着手と完成のたびに報道資料が出ますから、地域ごとの動きを追うならこのページが早いです。
整備の量が読めると、その先の見当もつきます。仮設団地が建てば、付帯の外構、給排水、電気、そして2年後の撤去まで仕事が続きます。県の発注の動きは発注見通し情報(詳細版)と、監理課の入札契約に関する通知であわせて追ってください。
03自宅敷地内型は、入るかどうかを現場で見ます
三つのなかで、いちばん建設業者の目が要るのがこれです。県は令和8年8月26日に案内を出しました。作物や家畜の管理などの生業、その他の事情で自宅の敷地に住み続ける必要がある方に、敷地内へ応急的な住宅を設置できる場合がある、という制度です。内閣府の令和8年8月14日付事務連絡が土台になっています。
対象者の要件は、住家が全壊、または半壊以上で再利用できずやむを得ず解体する方などです。そのうえで、敷地が物理的に入るかどうかが問われます。県が挙げている主な基準はこうです。
| 見るところ | 主な基準 |
|---|---|
| 前面道路 | 敷地が接している道路の幅員が4メートル以上 |
| 間口 | 敷地の間口がおおむね6メートル以上 |
| 搬入 | 搬入経路が確保できること |
| 設備 | 給排水設備などのインフラに接続できること |
| 動線 | 居住と生業に必要な動線が確保できること |
| 再建との関係 | 被災住宅の解体・撤去・建替えの支障にならないこと。住宅再建の工程との関係をあらかじめ整理しておくこと |
設置と撤去の費用は公費です。光熱水費は入居者の負担。入居は原則2年以内。供与するかどうかは、個別の事情と敷地条件を確認して決められます。相談は被災した市町の窓口で、準備が整った市町から順に開設されています。
04賃貸型は、仲介業者を通すことが要件です
賃貸型応急住宅は、県が民間の賃貸住宅を借り上げて、被災された方に無償で提供する制度です。住居が全壊などの被害を受け、自らの資力では住居を確保できない方が対象になります。
建設業者が直接請け負う仕事はありません。それでも押さえておく値打ちがあるのは、解体や修理の相談を受けたときに、必ずといっていいほど「それまでどこに住むのか」が話に出るからです。要件を知らずに「たぶん借りられますよ」と言ってしまうと、あとで違う話になります。
| 住宅の要件 | 中身 |
|---|---|
| 場所 | 熊本県内にある住宅 |
| 家賃 | 世帯人数ごとの上限があります。上限を超えるものは認められず、超過分を個人が負担することもできません |
| 貸主 | 貸主から同意を得ていること |
| 仲介 | 不動産仲介業者が斡旋した住宅であること |
| 耐震性 | 原則、耐震性が確認されている住宅であること |
| 世帯人数 | 家賃の上限(1か月あたり) |
|---|---|
| 1人(単身) | 5.5万円 |
| 2人 | 6.5万円 |
| 3人から4人 | 9.5万円 |
| 5人以上 | 13万円 |
契約は被災者・貸主・県の三者契約で、県が借主になります。家賃のほか、所定の範囲内で退去修繕負担金(敷金)、礼金等、損害保険料が県の負担です。損害保険は県が一括で加入します。入居できるのは入居日から2年以内。恒久的な住まいを確保したときや、断水などのライフラインが復旧したときは、速やかに退去することになっています。
自分で物件を探して直接契約した場合は対象になりません。仲介を通していることが要件だからです。この一点だけでも、聞かれたときに答えられるようにしておいてください。
05応急修理の「1か月」が、住まいを分けます
ここが、建設業者にとっていちばん効くところです。賃貸型の対象者の要件には、こういう項目があります。
災害救助法に基づく住宅の応急修理制度を利用する方のうち、半壊以上であって、修理期間が1か月を超えることが見込まれる方。
つまり、応急修理をしながらでも、工事に1か月を超えることが見込まれるなら、その間の住まいとして賃貸型に入れます。逆に、1か月以内で終わる見込みなら、この道は開きません。
では、その「1か月を超える見込み」は誰が言うのか。工事を請け負う業者です。資材の入り、職人の手配、他の現場との重なり。それを踏まえて工期の見込みを出せるのは業者しかいません。見込みを軽く「2、3週間で」と言うか、根拠をもって「1か月は超えます」と言うかで、施主が住める場所が変わります。
応急修理そのものの流れと、緊急修理(ブルーシート展張等)との違いは地震の情報は、県のどこにあるかにまとめています。どちらの制度も、申込みに被害状況の写真が要ります。手を入れる前に撮る。ここは繰り返しておきます。
06もう契約してしまった方にも、道があります
県のページに、見落とされやすい一文があります。
被災者と貸主で、すでに令和8年7月28日以降に契約されて入居済みの場合は、三者契約を結び直すことで、支払済の費用のうち県負担分の一部を遡って精算することが可能です。
地震のあと、制度を知らないまま急いで部屋を借りた方が少なくないはずです。自分で払ってしまったから、もう遅い。そう思い込んでいる方がいます。7月28日以降の契約なら、まだ間に合う場合があります。解体や修理の相談で顔を合わせたとき、ひと言だけ伝えてあげてください。判断するのは県と市町村です。こちらは「窓口で聞いてみてください」と言えれば十分です。
07聞かれたときに、答えられるように
制度そのものを決めるのは行政です。業者が判断することではありません。ただ、現場で最初に顔を合わせるのは業者です。次のことを持っておくだけで、施主の動きが変わります。
- 応急住宅は建設型・自宅敷地内型・賃貸型の三つがあると言える
- 相談窓口はいずれも被災した市町村だと言える
- 熊本市の方は市の窓口だと言える
- 自宅敷地内型には幅員4メートル、間口おおむね6メートルという目安があると言える
- 応急修理が1か月を超える見込みなら賃貸型の道があると言える
- 工期の見込みを、根拠を添えて書面で渡している
- 7月28日以降に自分で借りた方にも、精算の道があると伝えている
- 被害状況の写真を、手を入れる前に撮っている
災害のあとの仕事は、単価ではなく段取りと説明で選ばれます。制度を知っている業者は、それだけで頼りにされます。
08確認先
制度も進捗も動いています。ここに書いたことも、令和8年9月5日時点で確かめたものです。手続きの前に、必ず最新の案内をご覧ください。
| 建設型応急住宅の進捗 | 熊本県 土木部 住宅課 計画班 096-333-2547 |
|---|---|
| 自宅敷地内への建設型 | 熊本県 健康福祉部 健康福祉政策課 すまい対策室(応急仮設住宅班) 096-333-2185 |
| 賃貸型応急住宅 | 熊本県 健康福祉部 健康福祉政策課 すまい対策室(みなし仮設住宅班) 096-333-2186 |
| 申込み・相談 | 被災したときにお住まいだった市町村の窓口。熊本市は市が別に実施しています |
| 県の発注の動き | 熊本県 土木部 監理課 建設業班 096-333-2485/土木技術管理課 096-333-2490 |
被災された皆さまに、お見舞い申し上げます。制度が多く、担当も分かれています。自社の現場に関わるところだけを抜き出して、施主にそのまま渡せる形に整えます。熊本県内の案件についてご相談ください。
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