解体工事業登録 実務ノート(熊本県) ── 技術管理者・手続き・石綿調査まで
500万円未満の解体工事だけを請けるなら、建設業許可の代わりに解体工事業登録(建設リサイクル法)が入口になります。ただし登録は工事を施工する県ごとに必要で、技術管理者の選任など固有の要件があります。この記事では熊本県での登録実務をまとめます。「登録と許可のどちらを選ぶか」の判断は別稿に整理しています。
構成:一 登録が必要な人・不要な人/二 技術管理者の要件/三 申請の実務(熊本県)/四 登録後の義務/五 つまずきの記録
第一章登録が必要な人・不要な人
- 必要:請負金額500万円未満の解体工事を業として請け負う場合(元請・下請を問わず)。熊本県内の現場で施工するなら熊本県の登録が要ります
- 不要:建設業許可の「解体工事業」「土木一式」「建築一式」を持つ場合は登録不要。逆に、とび・土工の許可では解体工事は請けられません(平成28年の業種独立以降の注意点)
- 県ごとの原則:熊本県で登録しても、福岡県の現場では福岡県の登録が必要。施工エリアから逆算して登録する県を決めます
図 登録か、許可か ── 分かれ目は二つ
とび・土工の許可では解体工事は請けられません。平成28年に解体工事業が独立した際の経過措置は終わっているため、いま持っている許可の業種をご確認ください。登録は県ごとの制度で、熊本県で登録しても他県の現場では、その県の登録が要ります。
第二章技術管理者の要件
登録には、解体工事の施工を管理する技術管理者の選任が必要です。なれるのは次のいずれかです。
| ルート | 例 |
|---|---|
| 資格 | 土木・建築施工管理技士(1・2級)、建築士、とび技能士(1級/2級+経験)、解体工事施工技士 など |
| 実務経験 | 解体工事の実務経験8年以上(学歴・講習受講で短縮あり) |
建設業許可の営業所技術者等(旧・専任技術者)と違い営業所常勤までは求められませんが、工事の施工管理を実際に担える体制が前提です。資格者がいない場合は、講習+実務経験の組み合わせで最短ルートを設計します。
第三章申請の実務(熊本県)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請先 | 熊本県の担当窓口(土木部門)。管轄・受付方法は県の案内で確認 |
| 手数料 | 新規33,000円・更新26,000円(県証紙等) |
| 有効期間 | 5年。更新を忘れると新規扱い |
| 主な書類 | 登録申請書・誓約書・技術管理者の資格/経験の証明・住民票等 |
| 審査期間 | おおむね2週間〜1か月 |
第四章登録後の義務
- 標識の掲示(営業所・現場)と帳簿の備付け
- 建設リサイクル法の事前届出 ── 延べ80㎡以上の建築物解体などは、登録とは別に工事ごとの届出(発注者名義)が必要。分別解体の計画もここで求められます
- 石綿(アスベスト)の事前調査 ── 大気汚染防止法・石綿則により、解体・改修工事の事前調査と電子報告(一定規模以上)が義務化。有資格者(建築物石綿含有建材調査者)による調査が必要で、ここが近年の実務の最重要ポイントです
- 廃棄物の運搬を自社で行うなら産廃収集運搬許可の要否も確認(排出事業者=元請の原則)
第五章つまずきの記録
| つまずき | 防ぎ方 |
|---|---|
| とび・土工の許可で解体を受注していた | 業種の対応を再確認。500万円未満なら登録、以上なら解体許可へ |
| 県外現場で無登録施工 | 施工県ベースで登録リストを管理 |
| 石綿事前調査の未実施・無資格調査 | 調査者資格の取得または外部委託の体制を先に |
| 更新忘れで登録失効 | 5年期限を許認可カレンダーへ |
※手数料・様式は熊本県の案内で最新を確認してください。
解体の受注拡大(500万円以上・公共案件)を見据えるなら、登録から解体工事業許可への切替え時期の設計もあわせてご相談ください。
執筆体制
行政書士村上事務所熊本市/創業2004年
建設業許可・経営事項審査・入札参加資格を専門に扱っています。お客様の紹介で広がり、取引先は100社を超えました。
顧問技術士・一級建築士
技術と設計の側から、評点の組み立てと施工体制について助言を受けています。
chiou.jp株式会社地央/姉妹サイト
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