産廃収集運搬許可|行政書士村上事務所

産廃収集運搬許可 実務ノート ── 「下請こそ要る」線引きと品目・申請の設計

解体・改修・新築、どの現場でも産業廃棄物は出ます。そして「自社のトラックで運んでいるだけ」のつもりが無許可運搬になっている――産廃収集運搬の相談で最も多いパターンです。この記事では、許可が要る場合・要らない場合の線引きから、品目選定・講習・申請実務・複数県対応までをまとめます。

構成:一 許可が要るのは誰か/二 要件と準備/三 品目の選定 ── 実務の要/四 申請の実務(費用・期間・複数県)/五 運用と更新/六 つまずきの記録

第一章許可が要るのは誰か ── 「排出事業者」で判定する

図 許可の要否と、申請の要点許可が要るかどうかは、「排出事業者は誰か」で決まる自社が元請自社の現場から出た廃棄物を自社で処分場へ運ぶ= 自社運搬許可は不要自社が下請現場の廃棄物の排出事業者は元請その廃棄物を自社で運ぶ= 他人の廃棄物の運搬許可が必要「うちは下請だから関係ない」は逆。下請こそ許可が要る申請の要点申請先積む県と降ろす県の両方が要る法定費用新規 81,000円更新 73,000円審査期間おおむね1〜2か月更新5年ごと優良認定なら7年※費用は1県あたり。熊本で積んで福岡の処分場へ運ぶなら両県の許可が要る。 手数料・様式・講習の運用は改定されることがある。最新は熊本県の案内で確認。

元請のコンプライアンス調査で無許可運搬が見つかると、下請契約の継続そのものが危うくなります。

  • 不要な場合:排出事業者が自らの廃棄物を自ら運ぶとき(自社運搬)。例:自社が元請の解体現場で出た廃棄物を自社で処分場へ運ぶ
  • 必要な場合:他人の廃棄物を業として運ぶとき。ここで重要なのが、建設廃棄物の排出事業者は原則として元請だということ。つまり下請が現場の廃棄物を運ぶと「他人(元請)の廃棄物の運搬」になり、許可が必要です
  • 「うちは下請だから関係ない」が逆で、下請こそ許可が要る構造。元請のコンプライアンス調査で無許可運搬が見つかると、下請契約の継続自体が危うくなります

第二章要件と準備

要件 実務
講習会の修了 日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)の収集・運搬課程。予約が埋まりやすく、ここが最初のボトルネック。オンライン受講あり
経理的基礎 債務超過・連続赤字の場合は追加資料(経理的基礎に関する説明書等)。決算内容によっては先に財務の手当てを
運搬車両・容器 品目に応じた車両(平ボディ・ダンプ・コンテナ車等)と飛散防止の措置。車検証・写真で証明
欠格要件 役員等の欠格確認は建設業許可と同様

第三章品目の選定 ── 実務の要

  • 許可は品目ごと(がれき類・廃プラスチック類・木くず・金属くず・ガラス陶磁器くず・汚泥…)。実際の現場から出るものを積み上げて選びます
  • 建設系なら「がれき類・木くず・廃プラ・金属くず・ガラス陶磁器くず」あたりが定番の組み合わせ。石綿含有産業廃棄物・水銀使用製品を扱うかは現場の実態と体制で慎重に判断
  • 品目を欲張ると車両・容器の整備負担が増え、絞りすぎると現場で運べないものが出る。元請からの要求品目を先に確認するのが実務の順序です

第四章申請の実務

項目 内容
申請先 熊本県(積替え保管なしの収集運搬)。積む県と降ろす県の両方の許可が必要(例:熊本で積んで福岡の処分場へ→両県)
法定費用 新規81,000円・更新73,000円(1県あたり)
審査期間 おおむね1〜2か月(県・時期による)
主な書類 講習修了証・事業計画(品目・運搬先)・車両の車検証と写真・決算書類・住民票/登記事項証明書等

第五章運用と更新

  • マニフェスト(紙または電子)の運用が日常業務。電子マニフェスト(JWNET)は元請の指定で必須になる場面が増えています
  • 車両には表示(社名・許可番号等)と書面の備付けが必要
  • 許可は5年更新(優良認定で7年)。更新時も講習修了証の有効期限に注意(更新用の講習があります)
  • 建設業許可・経審と同じく、決算・体制の変化は変更届の対象。年間の許認可カレンダーに載せて管理します
  • 更新申請では、令和6年5月から添付書類の一部を省略できます。省略できる条件とできない場合、電子車検証で変わった「車検証の写し」の出し方は産廃更新、出す書類を減らせますで整理しています

第六章つまずきの記録

つまずき 防ぎ方
下請の立場で無許可運搬をしていた 「排出事業者=元請」の原則を現場に周知。運ぶ前に許可の品目・区域を確認
講習の予約待ちで申請が数か月遅れる 受注の見込みが立った時点で講習だけ先に予約
降ろす県の許可を忘れていた 処分場の所在地ベースで必要な県をリストアップ
債務超過で経理的基礎を疑義 決算の手当て(Y点対策と同じ打ち手)を先に

※手数料・様式・講習の運用は改定されることがあります。最新は熊本県の案内とJWセンターで確認してください。

品目構成と必要な県の判定は、現場の実態(何を・どこへ運ぶか)を伺えれば即日お答えできます。産廃・運送LPもあわせてどうぞ。

執筆体制

行政書士村上事務所熊本市/創業2004年

建設業許可・経営事項審査・入札参加資格を専門に扱っています。お客様の紹介で広がり、取引先は100社を超えました。

顧問技術士・一級建築士

技術と設計の側から、評点の組み立てと施工体制について助言を受けています。

chiou.jp株式会社地央/姉妹サイト

不動産・都市計画・開発許可・農地転用の実務ノートを100本以上載せています。土地から入る案件は、あわせてご覧ください。

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