次の2年に向けて ── 工事成績と経審の積み上げ方
01受注が等級に戻るまで
工事成績・完成工事高・技術者の経験は、いずれも次回の入札参加資格審査の材料になります。
いま施工している工事は、三つの形で次に返ってきます。
| 返ってくるもの | どこに効くか |
|---|---|
| 工事成績評定点 | 入札参加資格の主観点(第7講)と、総合評価の企業評価・技術者評価(第10講)。二重に効きます |
| 完成工事高 | 経審のX1点と、熊本県の主観点「公共工事完成工事高」(10〜80点) |
| 技術者の施工経験 | 総合評価の技術者評価。同種工事の経験として使えます |
つまり、受注できたかどうかより、どう仕上げたかのほうが、長い目では効いてきます。安く取って成績を落とすと、次の2年で取り返せません。
022年サイクルの組み方
| 時期 | やること | 参照 |
|---|---|---|
| 資格の1年目 | 取れる認定・登録に着手(ブライト企業認定、防災協定、SDGs登録など) | 第7講 |
| 1年目〜2年目 | 工事成績を意識した施工。技術者の経験と資格を積む | 第10講 |
| 2年目の決算3〜6か月前 | 経審のP点を設計する。W点の加点、自己資本、技術職員 | 経審講座 |
| 決算後4か月以内 | 決算変更届を提出 | 許可講座 第18講 |
| その後 | 経営状況分析 → 経営事項審査 → 結果通知 | 経審講座 |
| 受付期間 | 入札参加資格の定期申請 | 第4講 |
03経審のどこが等級に効くか
経営事項審査の総合評定値P点は、五つの評点の合計です。等級を上げたいという目的から見ると、動かせる時期と動かしやすさが、それぞれ違います。
| 評点 | 中身 | 動かしやすさ |
|---|---|---|
| X1 | 完成工事高 | 受注の結果。業種の振り分けで設計の余地があります |
| X2 | 自己資本額・利払前税引前利益 | 決算日までなら動かせます |
| Y | 経営状況(8指標) | 決算の作り方で動きます |
| Z | 技術力(技術職員・元請完工高) | 採用と資格取得。数年がかり |
| W | 社会性等 | いちばん短期で動きます。加点メニューが並んでいます |
等級の境目にいる会社が、決算まで半年という状況で動くなら、W点から見るのが定石です。CCUS、建退共、法定外労災、各種認定。それぞれ審査基準日(=決算日)までに要件を満たす必要があります。
詳しくは経営事項審査 実務講座(全25講)をご覧ください。
04許可のほうも切れないように
忘れられがちですが、この輪は建設業許可の上に乗っています。許可が切れれば経審は受けられず、経審がなければ入札参加資格もありません。
| 確かめること | 参照 |
|---|---|
| 許可の満了日はいつか | 許可講座 第5講 |
| 決算変更届は毎年出ているか | 許可講座 第18講 |
| 常勤役員等・営業所技術者等は在籍しているか | 許可講座 第6講・第7講 |
| 変更届の出し忘れはないか | 許可講座 第17講 |
三つの講座は、この順につながっています。建設業許可 実務講座、経営事項審査 実務講座、そしてこの入札の講座です。
05最後に
公共工事に出るということは、2年単位で自社を作っていくということだと思います。点数を取りにいく作業のように見えて、実際には、いい施工をして、人を育てて、決算を整える。その結果が数字になって返ってくる。
順番が分からなくなったら、いつでもご相談ください。いまどの段階にいても、次にやることからお話しします。
06確認先
| 内容 | 確認先 |
|---|---|
| 経営事項審査 | 熊本県土木部監理課建設業班/国土交通省 |
| 入札参加資格の定期申請 | 熊本県土木部監理課建設業班/熊本市工事契約課 |
| 工事成績評定 | 各発注機関の工事成績評定要領 |
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