コリンズ(CORINS)実務ノート ── 工事実績登録を「受注力」に変える
コリンズ(CORINS)は、公共工事の工事実績と配置技術者を登録する全国データベースです(JACIC運営)。発注者は業者選定・技術者の専任チェックにこれを使います。つまりコリンズは単なる事務手続きではなく、自社の実績を発注者に見せる公式の履歴書であり、同時に技術者の兼任が一発で発覚する監視網でもあります。登録の実務と、実績を受注力に変える使い方をまとめます。
構成:一 何のための仕組みか/二 登録が必要な工事/三 登録の実務(受注時・変更時・完成時)/四 実績を受注力に変える/五 つまずきの記録
第一章何のための仕組みか
- 発注者側の用途:①指名・入札参加者の施工実績確認 ②配置予定技術者の専任重複チェック(他工事と期間が重なっていないか) ③総合評価の実績評価
- 受注者側の意味:登録された実績が、次の入札の「同種工事の実績」の証明になる。未登録の工事は、やっていても実績として存在しないのと同じ扱いになりかねません
第二章登録が必要な工事
- 登録するかどうかは発注者の指示(契約図書)で決まります。国交省直轄・県・市町村で対象金額の基準が異なり、契約書・特記仕様書に「コリンズ登録のこと」と書かれていれば対象です
- 受注時だけでなく、技術者変更等の変更時・完成時(登録内容の確定)にも登録が必要です
- 登録料は請負金額の区分に応じた額(1件あたり数千円〜1万円台)。工事原価に見込んでおきます
第三章登録の実務
- 受注時 ── 契約後、登録システムで工事データ・技術者データを作成。登録内容確認書を発注者(監督員)に確認してもらってから登録完了。契約後の登録期限(土日を除く10日以内が目安)があるので、契約したらすぐ着手
- 変更時 ── 技術者交代・工期/金額の大きな変更は変更登録。ここが最も漏れやすい
- 完成時 ── 完成登録で実績が確定。ここまでやって初めて「使える実績」になります
図 登録は三回ある ── どれが欠けても実績にならない
最も漏れやすいのは真ん中の変更時登録です。技術者を交代したまま登録を直していないと、完成登録の段階で整合が取れなくなります。契約日を登録の着手日として、受注時のチェックリストに入れておくのが確実です。
第四章実績を受注力に変える
- 入札戦略の資産台帳として使う ── 自社のコリンズ登録実績の一覧は、どの工種・規模の入札に「実績要件」で参加できるかの地図です。指名願・総合評価の準備はここから始まります
- 技術者のキャリア証明 ── 登録された従事実績は技術者個人の経歴になり、監理技術者の専任配置(現場専任ノート)の裏づけにもなります
- 工事成績とセットで管理 ── コリンズ(実績)+工事成績評定(質)の両輪が総合評価の得点源です
第五章つまずきの記録
| つまずき | 防ぎ方 |
|---|---|
| 登録期限超過で発注者から指摘 | 契約日=登録着手日。受注時チェックリストに組み込む |
| 技術者交代の変更登録漏れ→専任重複の疑い | 技術者の異動はコリンズ変更とセットで処理 |
| 完成登録を忘れ実績が「未確定」のまま | 完成検査後の事務フローに完成登録を1行追加 |
| CCUSと混同 | コリンズ=工事と技術者の実績/CCUS=技能者の就業履歴。別物です |
※対象基準・登録料・システム操作は JACIC(日本建設情報総合センター)の最新案内で確認してください。
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執筆体制
行政書士村上事務所熊本市/創業2004年
建設業許可・経営事項審査・入札参加資格を専門に扱っています。お客様の紹介で広がり、取引先は100社を超えました。
顧問技術士・一級建築士
技術と設計の側から、評点の組み立てと施工体制について助言を受けています。
chiou.jp株式会社地央/姉妹サイト
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