社会保険の加入 ── 適用除外になる場合、ならない場合
01要件の中身
建設業法施行規則第7条第2号は、健康保険・厚生年金保険・雇用保険について、適用事業所に該当するすべての営業所について、その旨を届け出ていることを求めています。
言い換えると、入る義務があるのに入っていない状態が許されない、ということです。義務がない事業所まで入れという話ではありません。ここが「適用除外」の考え方につながります。
建設業法施行規則第7条第2号。適用除外の判断は、加入義務そのものの有無によります。
02健康保険・厚生年金保険
| 区分 | 扱い |
|---|---|
| 法人 | 従業員が一人もいなくても強制適用。常勤の代表者・役員も加入対象です |
| 個人事業(常時5人以上) | 強制適用 |
| 個人事業(常時5人未満) | 適用除外。任意で加入することもできます |
| 個人事業主と同居の親族従業員 | 適用除外 |
| 短時間労働者 | 週の所定労働時間および月の所定労働日数が、正社員の4分の3未満なら適用除外 |
建設業の実務でよく問題になるのが、一人親方や個人事業主として扱ってきた方が、実態として従業員だった場合です。実態が雇用であれば、加入義務が生じます。ここは許可の話にとどまらず、労務のリスクそのものです。
03雇用保険
| 区分 | 扱い |
|---|---|
| 労働者を雇用する事業所 | 原則として適用 |
| 週の所定労働時間20時間未満 | 適用除外 |
| 31日以上継続して雇用される見込みがない | 適用除外 |
| 法人役員のみ、または同居の親族のみで構成される事業所 | 適用除外 |
使用人兼務役員については、就労の実態から見て労働者としての性格が強く、雇用関係が明確に存在している場合には加入という整理になっています。役員だから一律に対象外、ではありません。
04熊本県で求められる確認資料
| 保険 | 資料 |
|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 | 納入告知書の写し、保険料納入告知額・領収済通知書の写し、または社会保険料納入確認書(受付印のあるもの)の写し |
| 雇用保険 | 「労働保険概算・確定保険料申告書」および「領収済通知書」の写し、または「労働保険料等納入通知書」および「領収済通知書」の写し |
いずれも申請時の直近のものが求められます。滞納しているとその写しが出せませんので、そこで止まります。
05許可以外にも効いてくる
社会保険は、許可の要件であると同時に、建設業のいくつもの場面に顔を出します。
| 場面 | 関係 |
|---|---|
| 経営事項審査 | 未加入だとW点(社会性等)で減点されます。加入は前提であって加点ではありません |
| 元請の下請選定 | 公共工事を中心に、未加入業者を下請に使わない運用が広がっています |
| 入札参加資格 | 発注機関の資格要件に加入状況が入ることがあります |
| 人の採用 | 加入していない会社に若い人は来ません。実際のところ、これがいちばん効いてきます |
06確認先
| 内容 | 確認先 |
|---|---|
| 許可要件としての社会保険 | 建設業法施行規則第7条第2号(e-Gov法令検索) |
| 適用関係の判断 | 国土交通省「社会保険の適用関係について」 |
| 熊本県での確認資料 | 熊本県土木部監理課建設業班「適切な社会保険への加入について」 |
建設業許可・経営事項審査・入札参加資格を専門に扱っています。お客様の紹介で広がり、取引先は100社を超えました。
技術と設計の側から、評点の組み立てと施工体制について助言を受けています。
不動産・都市計画・開発許可・農地転用の実務ノートを100本以上載せています。土地から入る案件は、あわせてご覧ください。
熊本で建設業許可の取得をお考えの方へ
行政書士村上事務所は、創業20年・支援実績100社超。要件判定から申請・その後の経審・入札まで一貫して支援します。許可の要件を満たせるか、経審で狙った評点・等級に届くかを、着手前に診断してお伝えします。初回相談は無料です。
無料診断 ── 「うちは取れるのか」を、着手前にはっきりさせます
建設業許可の要件を満たせるのか。経営事項審査で狙った評点・等級に届くのか。行政書士村上事務所が御社の状況を伺い、見通しと、足りないものを診断してお伝えします。熊本で創業20年・支援実績100社超。判断の材料をお持ち帰りいただくところまでが無料です。
建設業許可|経営事項審査・評点対策|入札参加資格 / 096-285-3993(平日9:00〜18:00)|お問い合わせ
建設業許可 実務講座 第10講 / 全25講 ── 第二部 五つの要件を、人と金で満たす
前の講:第9講 欠格要件と誠実性 ── 役員等の範囲と、5年という期間
次の講:第11講 営業所の実体 ── 写真・賃貸借・独立性で何を見られるか
→ 講座の目次(全25講)を見る