行政書士村上事務所

営業所の実体 ── 写真・賃貸借・独立性で何を見られるか

申請書に営業所と書けば営業所になる、わけではありません。熊本県では、営業所の外観・入口・内部の写真を出します。事務所としての形が整っているかを、写真で見られると考えておいてください。

01主たる営業所は一か所

建設業許可事務ガイドラインは、主たる営業所を「建設業を営む営業所を統轄し、指揮監督する権限を有する一か所」としています。そして、単に登記上の本店とされているだけのものは、これに当たりません。

実務でときどきあるのが、登記上の本店が社長の自宅で、実際の業務は別の事務所でしているという形です。この場合、主たる営業所は実際に業務をしている事務所になります。登記と申請書が食い違うこと自体は問題ありませんが、説明が要ります。

図 営業所として見られることその場所は「営業所」として認められるか契約の実体見積り・入札・契約締結を行っている常勤役員等または営業所技術者等が常勤場所独立した事務所として使える権原がある固定電話・机・書棚など事務所の形態表示標識を掲げている写真外観・入口・内部を提出登記上の本店であるだけでは、営業所になりません逆に、名称が「連絡所」でも契約をしていれば営業所です

建設業許可事務ガイドライン【第3条関係】、熊本県「建設業許可の手びき」別添による。

02何を見られるか

熊本県の申請早見表は、営業所について次のように求めています。

提出するもの 内容
営業所の写真 外観・入口・内部の三点
使用権原の記載 写真を貼付した用紙の余白に、自己所有か賃貸借かの別を記載します

賃貸の場合、賃貸借契約書の写しを求められることがあります。このとき注意が要るのが、契約書の使用目的が「居住用」になっている場合です。事務所として使うことについて、貸主の承諾があることを示す必要が出てきます。

03事務所としての形

他県の手引きになりますが、福岡県は営業所の要件を次の五つに整理しています。考え方の参考になりますので挙げておきます。

項目 内容
常勤役員等、営業所技術者等が常勤する事務所であること
権原 営業所の使用権原を有し、独立した事務所であること
形態 事務所としての形態(固定電話、机、事務台帳など)があること
表示 標識を掲げていること
機能 常時、請負契約を締結する機能があること

「独立した事務所」というのは、他社や他の用途と混ざっていないことです。同じ部屋に別会社の事務所が同居していて、区切りがない場合。生活空間と事務スペースが分かれていない場合。こうしたときに指摘を受けます。

04自宅を営業所にできるか

できます。実際、熊本の中小の建設業者では珍しくありません。ただし、生活空間と事務スペースが区分されていることが求められます。

整えておくこと 理由
玄関から居住空間を通らずに入れる、または独立した部屋である 来客が生活空間に入らずに商談できる形
机・椅子・書棚・固定電話などがある 事務所としての形態
入口に標識または社名の表示がある 外から見て営業所と分かる

写真を撮る前に、この三つを整えておくと、やり直しが減ります。

05従たる営業所を出すとき

本店以外に営業所を設ける場合、その営業所ごとに営業所技術者等を置く必要があります。ここが最大の制約です。人がいないと営業所は出せません。

また、その営業所で契約を締結する権限を持たせるなら、令第3条に規定する使用人として届け出ます。営業所長・支店長といった立場の方です。この方にも欠格要件がかかります(第9講)。

そして、県外に営業所を出すと大臣許可になります(第2講)。営業所を増やすという判断は、人・許可の種類・維持の手間の三つを同時に動かします。

06確認先

内容 確認先
営業所の定義・確認方法 建設業許可事務ガイドライン【第3条関係】(国土交通省)
熊本県で求められる資料 熊本県土木部監理課建設業班「建設業許可申請早見表」
標識の掲示 建設業法第40条、建設業法施行規則第25条(第19講)
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