ユースエール|行政書士村上事務所

ユースエール認定 実務ノート ── 中小限定・経審4点、本丸は若手採用

ユースエール認定は、若者雇用促進法に基づく「若者の採用・育成に積極的な中小企業」の厚生労働大臣認定です。常時雇用300人以下の中小企業限定──つまり熊本の建設業のほとんどが対象で、経審W点は素点4点(P点換算で約6点)と、ワーク・ライフ・バランス系3認定の単独では最高クラス。しかも実務上の本丸は経審ではなくハローワークでの露出強化です。

構成:一 点数と位置づけ/二 12基準の読み方/三 採用への実利/四 申請の流れ(熊本)/五 つまずきの記録

第一章点数と位置づけ

認定3種の比較(経審W点・ワークライフバランス系)

認定 根拠法 W素点 P点換算(概算) 向く会社
くるみん(子育て支援) 次世代育成支援対策推進法 トライ3/くるみん3/プラチナ5 約+4〜7点 子育て世代の職員がいる・男性育休を進めたい
えるぼし(女性活躍) 女性活躍推進法 1段階2〜3段階4/プラチナ5 約+3〜7点 女性技術者・事務職の採用定着を打ち出したい
ユースエール(若者雇用) 若者雇用促進法 4 約+6点 常時雇用300人以下で若手採用が課題の会社(建設業の大半が対象)

※複数取得しても経審で加点されるのは最高位の1つのみ。点数は現行基準の概算で、改定は国交省告示で確認。

くるみん・えるぼしが大企業も対象なのに対し、ユースエールは中小限定。若手不足が最大の経営課題である建設業と、制度の狙いが最も一致する認定です。関連:くるみん/えるぼし

図 三つの認定と、経審に効く点数認定の段階と、経審のW素点くるみん子育て支援3トライくるみ3くるみん5プラチナくるみんえるぼし女性活躍21段階32段階43段階5プラチナえるぼしユースエール若者雇用4認定複数取っても、経審で加点されるのは最も高い一つだけです。

縦は経審のW素点です。素点1点はP点でおよそ1.31点にあたるため、5点なら約+6.6点。どれを狙うかは点数だけでなく、自社が実際に取り組めるかで決まります。建設業の多くは常時雇用300人以下なのでユースエールの対象に入り、えるぼしは産業平均との比較で判定されるため、女性比率の低い建設業では意外に届くことがあります。点数は現行基準の概算で、改定は国土交通省の告示でご確認ください。

第二章12基準の読み方

主な基準を実務目線で並べます(全体は12項目)。

基準(主要) 目安 建設業での難所
新卒等の離職率 直近3年度の新卒採用者の離職率20%以下 採用数が少なければ1人の離職が重い。定着支援とセットで
時間外労働 月平均20時間以下(かつ60時間以上ゼロ) 最大の難所。現場の繁忙期管理・変形労働時間制の設計が鍵
年次有給休暇 取得率70%以上または年平均10日以上 計画的付与の導入で届く会社が多い
育児休業 男性の取得実績等 くるみんの基準と重なる。同時設計が効率的
採用・研修情報の公表 若者雇用促進法に基づく情報提供 様式に沿って整理すれば可

第三章採用への実利 ── 経審より効く場所

  • ハローワークでの優遇 ── 認定企業限定の求人検索・就職面接会への優先参加・重点PR。若手採用の入口が実際に広がります
  • 「残業月20時間以下」の証明 ── 応募者と親世代への説得材料としてこれ以上のものはありません。建設業のイメージを覆す一枚看板になります
  • 助成金の加算 ── 認定企業はキャリアアップ助成金等で加算対象になる場合があります(時期により変動。申請時に確認)

第四章申請の流れ(熊本)

  1. 勤怠・有給・離職のデータを12基準に当てて自己診断(ここで届かない基準を特定)
  2. 届かない基準の改善(残業管理・計画的付与・情報公表の整備)
  3. 熊本労働局(職業安定部)・ハローワークへ申請
  4. 認定→経審添付・求人票への表示・面接会活用

第五章つまずきの記録

つまずき 防ぎ方
残業基準で門前払い 先に働き方の改善から。総合評価・週休2日対応と同じ宿題なので無駄になりません
新卒採用ゼロで基準が判定できない 若者(35歳未満)の通常採用も対象になる運用があります。要件は申請前にハローワークへ照会
認定後の維持基準の失念 毎年の実績確認あり。勤怠データの月次モニタリングを仕組みに

ユースエールは「取れる状態にする過程」がそのまま働き方改革になります。自社が12基準のどこまで届いているか、勤怠データがあれば無料相談で診断します。

執筆体制

行政書士村上事務所熊本市/創業2004年

建設業許可・経営事項審査・入札参加資格を専門に扱っています。お客様の紹介で広がり、取引先は100社を超えました。

顧問技術士・一級建築士

技術と設計の側から、評点の組み立てと施工体制について助言を受けています。

chiou.jp株式会社地央/姉妹サイト

不動産・都市計画・開発許可・農地転用の実務ノートを100本以上載せています。土地から入る案件は、あわせてご覧ください。

熊本で経審の受審・評点対策をお考えの方へ

行政書士村上事務所は、創業20年・支援実績100社超。許可の要件を満たせるか、経審で狙った評点・等級に届くかを、着手前に診断してお伝えします。初回相談は無料です。

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経営事項審査 実務講座 第21講 / 全25講 ── 第五部 W点(社会性等)── 加点メニューの実務

前の講:第20講 くるみん認定 ── 正しい点数と、それでも取る理由
次の講:第22講 建設企業BCP認定 ── DX要件化と経審への影響
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