人手不足と働き方改革 実務ノート ── 精神論を排して、効く順に打つ
建設業の人手不足は「募集しても来ない」という採用の問題に見えて、実際は労働時間・処遇・見せ方・制度活用の複合問題です。時間外の上限規制(いわゆる2025年問題)以降、対応した会社としない会社の差は求人市場で開き続けています。精神論を排して、打ち手を効く順に並べます。
構成:一 構造を直視する/二 時間の改革(上限規制対応)/三 処遇の改革/四 見せ方の改革/五 制度と補助金
第一章構造を直視する
- 就業者の高齢化と若年入職の少なさは全国共通。熊本はTSMC関連の需要集中で売り手市場が極端化し、賃金相場も上がっています
- つまり「良い人が来ない」のではなく「選ばれる理由を作った会社に人が集中している」のが実態です。以下は選ばれる理由の作り方です
図 人が集まる会社が先にやっていること
採用の前に、時間・処遇・見せ方の三つを動かします。順番が逆になると、求人にお金をかけても書ける材料がありません。制度と補助金は、この三つを進めるための資金の裏づけとして使います。
第二章時間の改革 ── 上限規制はもう前提
- 時間外の上限(月45時間・年360時間原則、特別条項でも年720時間等)は施行済みの前提条件。36協定と勤怠の実態がズレている会社は、採用以前に法令面の宿題です
- 実務の鍵は工期と搬入計画:週休2日を前提にした工程、変形労働時間制の設計、書類仕事のデジタル化(IT導入補助金)
- 残業月20時間以下まで下げられればユースエール認定が見え、求人票の説得力が変わります
第三章処遇の改革 ── 賃金と「見える将来」
- 賃上げの原資は価格転嫁から。労務費基準は値上げ交渉の後ろ盾になりました
- 賃金以外で効くのはキャリアの見える化:CCUSレベル手当(CCUSノート)、資格取得支援(Z点対策と同じ投資)、退職金三点セット(建退共ほか)
第四章見せ方の改革
- 求人票に書ける「証拠」を揃える:認定マーク(ユースエール・くるみん)、建退共加入、残業実績の数字、資格取得実績
- 採用サイト・施工事例の整備(持続化補助金の定番用途)。若手が最初に見るのは会社のスマホ画面です
第五章制度と補助金
| 目的 | 使える制度 |
|---|---|
| 省人化投資 | 省力化投資補助金・ものづくり補助金 |
| 働き方改革の体制整備 | 働き方改革推進支援助成金(建設業は上限が手厚い年度あり) |
| 採用・定着の認定 | ユースエール/くるみん/えるぼし(経審W点にも) |
「人が採れない」の相談は、実際には工期・賃金・制度の設計相談です。自社の現状(勤怠・賃金・認定の有無)を伺えれば、効く順の実行計画をお出しします(補助金・経営支援LP)。
執筆体制
行政書士村上事務所熊本市/創業2004年
建設業許可・経営事項審査・入札参加資格を専門に扱っています。お客様の紹介で広がり、取引先は100社を超えました。
顧問技術士・一級建築士
技術と設計の側から、評点の組み立てと施工体制について助言を受けています。
chiou.jp株式会社地央/姉妹サイト
不動産・都市計画・開発許可・農地転用の実務ノートを100本以上載せています。土地から入る案件は、あわせてご覧ください。
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