行政書士村上事務所

主観点で動かせるところ ── 工事成績・防災協定・地域貢献

経審のP点は決算日で決まります。ではもう一方の点数、主観点はどこで決まるのか。ここには、今年からでも動かせるものが混ざっています。等級の境目にいる会社ほど、ここを見る値打ちがあります。

01三つの性質に分けて考える

図 主観点の三つの性質主観点は、三つの性質に分かれます仕事の結果工事成績・優良工事表彰会社の規模と体制完成工事高・職員数・技術者取り組み防災協定・雇用・地域貢献すぐには動かせない数年かけて積む今年から動かせるいちばん取り組みやすいのは右。届出や認定を取るだけで加点されるものがありますいちばん重いのは左。工事成績は日ごろの施工でしか上がりません

熊本県「技術事項等評価項目」、熊本市「主観的数値」の評価項目を、動かしやすさで分類したものです。

主観点の項目は数が多く、一覧を眺めても手がかりがつかめません。動かしやすさで三つに分けると、どこから手をつけるかが見えます。

02熊本県の技術事項等評価項目

主なものを挙げます。配点は年度により見直されますので、最新の格付基準でご確認ください。

項目 配点
熊本県発注工事成績(平均) 最大12点
優良工事(85点以上) 20点/年1件
優良工事(80〜85点未満) 10点/年1件
粗雑工事(65点未満) △20点/件
指名停止 △20点/月
公共工事完成工事高 10〜80点(8段階)
総職員数 最大60点
専門工事比率 10〜90点(10段階)
高度技術実績(土木) 10点/工種(最大60点)
防災協定の締結 5〜20点(2段階)
ブライト企業認定 20点
大臣・知事表彰 10点/件
VE提案の採択 20点/件
新規学卒者の雇用 4点/人(最大16点)
若年者の定着 3点/人(最大12点)
新分野への進出 10点
労働安全教育 1点/人(最大10点)
県研修会の受講 1点/人(最大10点)
熊本県SDGs登録 5点
障がい者の雇用 5点
男女共同参画 5点
社会貢献活動 1〜5点
不当要求防止責任者講習 3点
温暖化対策計画 2点/計画(最大4点)

03熊本市の主観的数値

項目 配点
工事成績(過去3年平均) 50点〜△30点(14段階)
専門工事に対する加点 20点〜2点
優良工事表彰(過去5年) 20点
熊本県SDGs登録 5点
障がい者の雇用 5点
保護観察者協力雇用主の登録 5点
ボランティア活動 5点
防災協定の締結 5点
消防団協力事業所の認定 5点
男女共同参画・子育て支援 5点
1級舗装施工管理技術者の雇用 5点
労働保険の不払・未加入 △2点
債権差押等 △2点
指名停止(過去1年度) △5点

熊本市で目を引くのは、工事成績の配点が50点から△30点まで、80点の幅があることです。過去3年の平均で決まります。ここは経審のどの項目より大きく動きます。

04今年から動かせるもの

届出や認定を取るだけで加点される項目を、まとめておきます。

取り組み
防災協定の締結(建設業協会等を通じて) 5〜20点 5点
熊本県SDGs登録 5点 5点
ブライト企業認定(熊本県) 20点
消防団協力事業所の認定 5点
保護観察者の協力雇用主登録 5点
不当要求防止責任者講習の受講 3点
障がい者の雇用 5点 5点

ブライト企業認定の20点は、単独の項目としては大きい部類です。熊本県が独自に行っている認定で、労働環境や人材育成の取り組みが評価されます。取得には準備が要りますが、採用の面でも効いてきます。

防災協定も、県で最大20点。地域の建設業協会を通じて締結している会社が多い項目です。加入していない場合は、そこから検討することになります。

05減点を作らないこと

加点を積むより、減点を作らないことのほうが確実です。

減点 影響
指名停止 県は△20点/月。1か月の停止で20点が消えます
粗雑工事(工事成績65点未満) 県は△20点/件
労働保険の不払・未加入(市) △2点
債権差押等(市) △2点

指名停止は、その期間受注できないという直接の損失に加えて、次の2年間の等級にも響きます。建設業法の遵守が入札に効いてくるのは、この経路です。

062年で組む

時期 やること
定期申請の2年前 取れる認定・登録を洗い出し、着手する。ブライト企業認定など、時間がかかるものから
1年半前 工事成績を意識した施工体制。ここは日々の積み重ねです
1年前 経審の設計。決算日から逆算してP点を組む
半年前 経審の申請、結果通知の受領
受付期間 入札参加資格の定期申請

07確認先

内容 確認先
熊本県の技術事項等評価項目 熊本県土木部監理課建設業班「格付基準」
熊本市の主観的数値 熊本市工事契約課「資格審査の基本的方針及び基準」別表1
ブライト企業認定 熊本県 商工労働部

※評価項目と配点は年度ごとに見直されます。取り組みを決める前に、熊本県・熊本市の最新の公表資料でご確認ください。

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