
令和7年度 設計労務単価は6%アップ!建設業経営者が知っておきたい“これからの単価と評価の話”
はじめに 設計労務単価って何?
設計労務単価とは、公的に定められた「職人さんの人件費の目安」です
設計労務単価とは、国土交通省が毎年公表している「建設現場で働く作業員の人件費の基準額」のことです。
この金額は、公共工事の見積もりや契約金額を決める際に基準として使われます。
つまり「この職種の人に、どれくらいのお給料を想定すればよいか」という目安になります。
どんな職種に分かれているのか
職種例 | 業務内容の一例 |
普通作業員 | 資材運び、清掃、片付けなど現場の補助作業 |
大工 | 木材の加工や型枠の組み立てなどの作業 |
交通誘導員 | 工事現場周辺で車や人の安全を守る誘導業務 |
実際の給与と違うのはなぜ?
「うちの職人さんの給料は、こんなに高くない」と思われた方も多いかもしれません。
それもそのはずで、設計労務単価は実際に支払う給与額ではなく、「公共工事の積算のための参考額」です。
この単価には、社会保険料、福利厚生費、法定外手当なども含まれています。
例え話で考えてみましょう
たとえば、八百屋さんでリンゴを仕入れるとき、1個100円で仕入れたとしても「この地域ではリンゴは120円ぐらいが相場です」と言われれば、それを参考に販売価格を決めるでしょう。
設計労務単価も同じように、「職人さんに支払う適正な金額の相場」を示すために使われるものです。
なぜこの単価が重要なのか
設計労務単価は、公共工事における積算や契約金額の根拠となる重要な指標です。
見積書を作成する際や発注者との協議の中で、「どの程度の人件費を見込むべきか」という基準となるため、
現場ごとの価格設定や利益計画に直接影響します。
また、直接的な影響ではありませんが、労務費の適正性や支払い実態が関係する書類が、
経営事項審査(経審)の中で求められるケースもあります。
たとえば、工事原価に関する項目や労務費率に関する評価などにおいて、
労務費が極端に低くなると、経審での信頼性にも間接的に関わる可能性があります。
設計労務単価の根拠法令
法令・通知 | 概要 |
公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)第5条 | 国が積算基準を適正に整備することを定めています |
国土交通省通達(設計労務単価の決定通知) | 毎年3月頃に、実際の賃金調査に基づき見直しが行われます |
今、経営者が知っておくべきこと
設計労務単価を見て「高すぎて払えない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
この単価は直接支払う給与額ではありません。
むしろ「どのくらいの金額で見積もりを立てればよいか」という基準を知ることで、
無理のない価格で工事を受注し、適正な利益を確保することに役立ちます。
地域差はまだまだ大きい?鳥取と東京で9,000円の差!
公共工事の労務単価は、地域ごとにかなり差があります
令和7年度の設計労務単価が発表され、全体平均で約6%の上昇が見られましたが、その中でひときわ目立ったのが「地域による単価の差」でした。
たとえば、普通作業員の単価で比較すると、東京都と鳥取県ではなんと9,000円近い開きがあります。
地域別の普通作業員単価の一例(令和7年3月時点)
地域 | 単価(1日あたり) |
東京都 | 26,800円 |
宮城県 | 22,900円 |
山形県 | 22,100円 |
大阪府 | 23,300円 |
鳥取県 | 17,000円 |
なぜここまで差が生まれるのか
「同じ作業なのに、どうして東京と鳥取でこんなに金額が違うのか」と疑問に思う方も多いと思います。
この差は、単なる地域性というよりも、以下のような複数の要因が絡んでいます。
地域単価の差が生じる主な理由
- 労働市場の需給バランス
- 生活コスト(家賃、物価、交通費など)
- 人手不足の深刻度
- 地元の民間工事単価や賃金実態
- 公共工事の発注件数の多寡
たとえば東京都では、物価が高く、住宅費も高額なため、一定水準以上の賃金がなければ生活が成り立ちません。
一方、鳥取県では生活費が比較的安く、地元雇用も安定しているため、相場が低くなる傾向があります。
例え話でイメージしてみましょう
もしあなたがリンゴを買いに行くとして、東京のスーパーでは1個200円、鳥取の市場では1個100円だとします。
同じリンゴでも、土地代や人件費が違えば売値が違うのは当然です。
これと同じように、作業員の単価もその地域の「経済環境」によって決まってくるのです。
地域間格差をどう受け止めるか
このような単価の差は、建設会社が公共工事を受注する際の戦略に影響します。
たとえば、東京都のような高単価地域であれば、単価が高い分、利益も大きくなりやすい反面、労務費の支出も多くなります。
逆に鳥取県のような地域では、単価が低いために受注金額も抑えられがちですが、競争も少ないという利点があります。
中小建設会社が意識したいポイント
- 自社の所在地の単価が全国水準と比べてどの位置にあるかを把握する
- 人材採用の際に「他地域との差」を説明できる材料を持っておく
- 自治体の発注傾向や年度ごとの単価の変動をチェックする
特に人手不足が深刻化している今、東京などの都市部では、地方からの労働力流出も起きています。
このような構造的な問題をどう捉え、地域に合った経営判断をしていくかが、今後の公共工事経営において大切になってきます。
制度的な位置づけと背景
設計労務単価は、国土交通省が各地域の実勢賃金を調査し、統計的に分析した上で決定されます。
根拠となる法令は、以下のとおりです。
法令 | 内容 |
公共工事の品質確保の促進に関する法律 第5条 | 積算基準の整備義務、実勢に即した労務単価の反映 |
国土交通省 告示・通達 | 全国の実勢賃金調査を踏まえ、年1回(3月頃)に公表 |
このように、単価の設定には法的根拠があり、毎年見直される仕組みとなっています。
単に地域差を「不公平」と見るのではなく、その背景を理解することで、より有利な事業展開につなげることができます。
標準労務費の導入で何が変わるの?
設計労務単価と実際の給与はイコールではありません
建設業界では、公共工事の見積もりに使用される「設計労務単価」と、実際に職人さんに支払う給与額は必ずしも一致していません。
設計労務単価とは、国土交通省が定める参考価格であり、実勢賃金(現場で本当に支払われている金額)とは違うことも多いのが現実です。
その差がどうして問題になるのか
設計労務単価を基にした金額で工事を発注しても、実際には元請から下請、孫請へと仕事が流れていく過程で中間コストが増え、最終的に職人さんが手にする金額が目減りしてしまうという問題が生じます。
これは多重下請け構造によるもので、業界全体の構造的な課題とされています。
具体例で考えてみましょう
例えば、設計労務単価で1日あたり2万5,000円とされた作業があったとします。
この金額が直接職人さんに渡ればよいのですが、
工務店 → 協力会社 → 現場監督 → 現場班長 → 職人、と段階を経るごとに経費が引かれていき、
最終的には1万5,000円程度しか届かないということもあります。
そこで登場したのが「標準労務費」という新たな基準
令和6年度から試験的に導入されているのが「標準労務費制度」です。
この制度は、職人さんに実際に支払うべき最低限の金額を明示することで、労働者への適正な支払いを確保することを目的としています。
標準労務費とは何か
名称 | 内容 |
標準労務費 | 公共工事において、技能労働者へ直接支払うべき最低基準の賃金額 |
策定主体 | 国土交通省(労働組合や業界団体の意見も踏まえて設定) |
対象 | 直用労働者(直接雇用)および常用労働者に対する支払い |
導入の背景
- 職人不足の深刻化
- 若年層の建設業離れ
- 物価の上昇と実賃金の乖離
- 技能者の適正な処遇の確保
これまで「設計労務単価が上がっても、実際の給料は上がらない」という現場の声が多くありました。
そうした不満に応える形で、標準労務費の導入が始まったのです。
公共工事における価格設定や見積もりにも影響します
標準労務費は今後、国や自治体が発注する公共工事の契約条件において、労務費の確保を義務づける方向に活用されていく見通しです。
そのため、見積書の作成や工事費の内訳において「労務費の最低水準」を満たしているかどうかが、受注判断に直結することになります。
事業者として意識すべきポイント
- 下請契約の内容に「労務費の確保」条項が入っているかを確認する
- 見積書作成時に、標準労務費を下回らない金額を計上する
- 実際に現場で働く職人さんに、適正な賃金が届いているかを社内で管理する
法的根拠と制度の位置づけ
法令・制度 | 内容 |
公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法) | 技能労働者の処遇改善と持続可能な業界構造の確保を目的に、制度的支援を明記 |
公共工事設計労務単価通知(国土交通省) | 設計労務単価とは別枠で標準労務費を案内し始めている |
建設業者にとってのメリットと対応の方向性
標準労務費の制度が浸透することで、過度な価格競争を避けながら、
労働者を大切にする経営を目指す企業が評価されやすくなります。
短期的にはコスト増に見えるかもしれませんが、長期的には優秀な人材の定着と育成につながります。
対応のポイント
- 制度の趣旨を理解し、社員や協力会社にも共有する
- 新しい見積書テンプレートや契約書式の整備を進める
- 行政書士や専門家と連携し、制度変更に柔軟に対応する
標準労務費は、建設業界にとって新しいスタンダードになりつつあります。
制度の趣旨を正しく理解し、早めに取り入れていくことが、これからの公共工事で選ばれる企業になるための鍵となります。
民間工事にも波及?建設業界全体の底上げが必要
公共だけでは足りない。民間工事にも賃上げの流れを広げる動きが始まっています
公共工事における設計労務単価や標準労務費の引き上げは、業界内で大きな話題となっていますが、その恩恵が届いているのは主に公共事業に関わる一部の現場に限られています。
しかし、建設業界の多くの仕事は民間からの受注です。特に中小規模の建設会社では、住宅や商業施設、民間企業からのリフォームや修繕工事など、民間工事の比率が高くなっています。
なぜ民間にも賃上げが必要なのか
- 公共だけが賃上げされても、民間工事が据え置きなら業界全体は変わりません
- 若年層の職人が集まりにくくなり、業界の高齢化が進行します
- 公共工事と民間工事で処遇に差があると、企業間の労働力確保に偏りが出ます
こうした背景を踏まえ、国土交通大臣は「公共工事の賃上げの流れを民間にも波及させていく」との方針を打ち出しています。
これは単なる理想論ではなく、現実に多くの企業が直面している人手不足を解消する鍵として、本格的に議論されはじめています。
中小企業ほど影響が大きく、対応も急務です
中小建設会社にとって、価格競争の厳しさは日々の経営課題です。
長年、安く請けてなんとか回してきたという企業も多いのではないでしょうか。
しかし現在は、安さよりも人を確保できるかが経営の分かれ道となっています。
中小企業にとっての課題
- 元請から提示される工事金額が低く、価格転嫁しにくい
- 下請け構造の中で、自社が最も人件費を吸収している
- 職人の離職を防ぐためには、待遇改善が必要
例え話でイメージしてみましょう
たとえば、お弁当を作る会社がいたとして、材料費が上がっているのに販売価格が据え置きのままだとしたら、利益はどんどん減っていきます。
これと同じように、労務単価が上がっているのに工事費が変わらなければ、職人への賃上げは絵に描いた餅になってしまいます。
「安ければいい」という発注者の意識を変えていく必要があります
これまでの業界では、金額の安さを武器に受注を競うケースが少なくありませんでした。
しかし、それでは「人が集まらない」「安全が保てない」「品質が落ちる」といった悪循環を招いてしまいます。
これからは「適正価格」で勝負する時代へ
- 工事の内容に見合った価格を提示し、適正な利益を確保する
- 職人が安心して働ける労働条件を整える
- 元請企業に対して、コスト構造を丁寧に説明する努力を惜しまない
公共工事で標準労務費が導入されたことを契機に、民間工事にも「最低限の賃金保証」が求められる流れが進んでいます。
この変化をポジティブにとらえ、自社の強みに変えていくためには、「安さ」ではなく「価値」で選ばれる建設会社を目指すことが大切です。
法的背景と行政の姿勢
関連制度 | 概要 |
品確法(公共工事の品質確保の促進に関する法律) | 工事の品質向上と技能者の適正処遇を推進 |
建設キャリアアップシステム(CCUS) | 技能者の就業履歴や賃金水準の見える化を支援 |
国としても、適正な工事価格の確保や、賃金の透明化に向けた仕組みを強化しており、今後の制度改正や補助制度にも注目が集まっています。
今後の経営に求められる意識の転換
短期的には厳しい局面もあるかもしれませんが、建設業全体が変わろうとする今こそが、企業としての在り方を見直す好機とも言えます。
利益率を保ちながら人材を確保し、持続可能な事業運営を続けていくためには、「適正な価格交渉」と「職人への正当な還元」がこれまで以上に重要になります。
人手不足はもう待ったなし!今が変革のタイミング
建設業の現場は、すでに高齢化のまっただ中です
国土交通省の統計によると、建設業従事者のうち50歳以上が全体の約5割を占めています。
さらに29歳以下の若手はわずか11%程度にとどまっており、業界全体で人材の高齢化が進んでいることは明らかです。
このままでは、10年後には技術の継承もままならず、多くの現場が止まってしまうリスクも現実のものとなります。
今、現場で起きていること
- ベテラン職人の定年が目前に迫っている
- 新卒や若年層の入職希望者が減少している
- 現場における技能の継承が間に合っていない
- 結果として受注機会の制限や工期遅延が発生
このまま放っておけない、だから今が改革のチャンスです
ここで大切なのは、現状をただ嘆くのではなく、企業としての経営のあり方を見直すことです。
人手不足を「コスト」ではなく「変革の起点」として捉え直すことで、持続可能な企業運営につながります。
なぜ今が転換期なのか
背景 | 内容 |
2024年4月からの残業規制 | 建設業でも働き方改革関連法が全面適用され、長時間労働が制限されます |
DX(デジタルトランスフォーメーション)への期待 | ICT施工やドローン、BIM活用などによる業務効率化が進展 |
労務単価・標準労務費の上昇 | 職人の賃上げが制度的にも後押しされ、労働環境改善の機運が高まっています |
若手を採用し、定着させるために必要な3つの視点
- 労働時間の見直し
週休二日制の導入や有給休暇の確保を通じて、建設業の働き方を変える必要があります。 - 給与・処遇の改善
設計労務単価や標準労務費に見合った処遇が実際に現場へ届くような仕組みづくりが欠かせません。 - キャリアの見える化
建設キャリアアップシステム(CCUS)などを活用し、スキルに応じた評価が受けられる環境を整備します。
例え話でイメージしてみましょう
たとえば、畑を耕す農家が年々高齢化していき、新しい若者が入ってこなければ、いつか畑は草だらけになってしまいます。
建設業もそれと同じで、今のうちに若い力を呼び込まないと、未来の建設現場が成り立たなくなってしまいます。
「いい会社」と思われる経営を実現するには
今の若手世代は、単に「給料が高い」だけでは企業を選びません。
「長く働けるか」「自分の意見が通るか」「人間関係が良いか」など、総合的な「働きやすさ」を重視する傾向にあります。
「いい会社」になるための実践ポイント
- 職人や社員に対する定期的なヒアリングの実施
- 休暇制度や福利厚生の見直し
- DXやICTの導入による業務効率の改善
- 教育研修制度の充実とキャリア支援
- 職人が誇りを持てる現場づくりの推進
法的根拠や関連制度も活用を
制度・法令 | 概要 |
建設業法(改正令和元年) | 週休二日制の導入推進、技術者配置要件の見直し |
働き方改革関連法 | 時間外労働の上限規制、年5日以上の有給取得義務 |
建設キャリアアップシステム(CCUS) | 技能者の処遇改善や就業履歴の見える化に対応 |
今できることを一つずつ積み重ねていく
人手不足はもはや避けられない問題ですが、その分、未来の働き手が「ここで働きたい」と思える環境を整えることが、企業の競争力を高める最大の鍵です。
急にすべてを変えることは難しくても、小さな改革からでも構いません。
一歩ずつ着実に進めていくことで、「この会社で働きたい」「この会社に仕事を任せたい」と思われる存在になれるはずです。
経営事項審査にも影響?評点アップのために今やるべきこと
経営事項審査とは、公共工事に参加するための“通知表”です
経営事項審査(通称「経審」)は、公共工事を請け負うために必要な審査制度です。
簡単に言うと、企業の経営状態や技術力、社会性などを点数で評価し、それをもとに自治体や国が業者選定を行う仕組みです。
「点数が高ければ、より大きな仕事を任せてもらえる」──このため、経審の点数は会社の将来を左右する重要な要素です。
経営事項審査の主な構成要素
評価項目 | 内容 |
X点 | 財務内容(純資産、利益、負債など) |
Z点 | 技術職員数、経験年数、資格など |
Y点 | 完成工事高、労働福祉、安全対策などの社会性 |
設計労務単価は直接的な評価項目ではありませんが、影響はあります
経審の中で設計労務単価がそのまま点数になるわけではありません。
しかし、実は「間接的に」影響を与えている部分があります。
どうして関係があるのか
- 労務費が低すぎると「社会性評価」でマイナスになるリスクがある
- 適正な原価管理ができていないと判断される可能性がある
- 公共工事における実績の信頼性が問われることがある
たとえば、実際には作業員に日額2万3,000円を支払っているにも関わらず、帳簿上では1万7,000円と記載されている場合、
元請企業や審査機関から「適正な処遇がなされていないのではないか」と疑念を持たれる可能性があります。
評点アップのためにやるべきことは、日々の積み重ねです
経営事項審査は年に1回の審査ですが、その内容は日々の業務や経理処理、労務管理などすべてが反映されます。
特に以下のような点を意識しておくと、評点アップのチャンスが広がります。
今すぐ取り組める実務ポイント
- 設計労務単価と実際の支払い額のバランスをチェックする
- 労務費の内訳や賃金台帳を適正に整理する
- 社会保険加入状況や福利厚生制度の整備状況を確認する
- 技術職員の資格取得を支援し、更新状況を管理する
- 完成工事実績を適切に記録し、公共・民間の区分を明確にしておく
例え話でイメージをつかみましょう
もしあなたのお子さんが通知表をもらってきて、「体育は5だけど、音楽は2だった」と言ったとします。
それを見た先生が「この子は運動はできるけど、音楽は苦手だな」と判断するように、
経審も、会社のいろいろな面を見て総合的に評価します。
見えにくい部分、たとえば労務費や安全管理といった裏方の部分も、しっかり見られているというわけです。
書類整備と専門家の力が結果を左右します
どれだけ良い経営をしていても、書類が不十分であれば、評価にはつながりません。
特に以下のような書類は経審において必須です。
重要書類一覧
- 決算書および完成工事高の明細
- 工事経歴書と注文書・請書のセット
- 社会保険加入を証明する書類(納付書など)
- 雇用契約書・賃金台帳・労働条件通知書
- 技能者資格証や研修受講修了証明書
行政書士への相談が、最大の近道になることもあります
はじめての経審では、何をどこから準備すればよいかわからないという声を多く聞きます。
そんなときは、経営事項審査に詳しい行政書士に相談することが、最も効率的かつ安心な方法です。
企業の強みを的確に評価につなげ、必要な書類の整備や記載のアドバイスも受けられるため、無駄な時間やミスを減らすことができます。
行政書士に依頼するメリット
- 提出書類を正確に整備し、スムーズに申請できる
- 経審に強い項目を見極め、点数アップの対策をとれる
- 法改正や最新の制度にも対応できる
- 長期的な経営戦略に合わせたアドバイスがもらえる
根拠となる制度・条文
法令・制度 | 内容 |
建設業法 第27条の23 | 経営事項審査の義務とその手続きについて定めています |
国土交通省 経審通知(最新年度) | 評点算出基準、社会性評価項目の詳細が記載されています |
まとめ
労務単価の引き上げや標準労務費の導入といった制度改革は、経営事項審査にも少しずつ波及しています。
経審で良い評価を得るためには、日頃の労務管理の正確さや、書類の整備、そして制度への理解が欠かせません。
「どうせ点数なんて変わらない」とあきらめず、小さな改善の積み重ねが確実に差を生んでいきます。
まとめ 未来の建設業は“人を大切にする”業界に
単価の引き上げは、職人の働く環境を守るための仕組みです
設計労務単価や標準労務費の見直しが続けられている背景には、「建設業に携わる人たちをきちんと支える必要がある」という国の強い方針があります。
つまり、単価が上がるということは「もっと良い給料を払いましょう」「職人が安心して働けるようにしましょう」というメッセージでもあるのです。
この仕組みの本当の意味
- 安定した賃金を保障し、若手が入ってきやすい業界に変えていく
- 高齢の技能者が安心して技術を伝えられる環境をつくる
- 将来の担い手が希望を持って働ける業界にする
たとえば、学校の給食が突然グレードアップして栄養バランスも良くなったとしたら、子どもたちも保護者も安心できますよね。
建設業も同じで、働く人にとって「ここなら長く続けられる」と思える環境を整えることが、業界全体の未来につながっていきます。
「人を大切にする会社」が、これからの時代に選ばれます
これからの建設業界では、ただ「安くて早い」だけの会社ではなく、人を大切にし、丁寧に仕事を進める会社が信頼されるようになります。
発注者側も「適正な価格で、安心して任せられる業者」を選ぶ時代です。価格競争ではなく、「誰と仕事をしたいか」という視点に変わってきているのです。
経営者が意識すべきポイント
- 職人の処遇改善や働き方改革を前向きに実行する
- 労務費をきちんと管理し、制度と連動させる
- 会社のビジョンを社内外にわかりやすく伝える
制度を理解し、経営事項審査に備えることが会社の信頼につながります
公共工事に取り組むためには、経営事項審査(経審)という制度をきちんと理解し、準備を整えることが重要です。
設計労務単価の改定、標準労務費の導入、そして社会性評価の項目強化など、制度は年々変化しています。
そうした変化に対応する力がある企業は、それだけで信頼される存在となります。
今からできる取り組み
- 労務費の支払い状況と帳簿の整合性をチェックする
- 週休二日制や有給制度の見直しを社内で検討する
- 行政書士など専門家に相談して経審に備える
未来の建設業は「人を活かす産業」へ
私たちが目指すべき建設業は、単に建物をつくるだけの仕事ではありません。
人の暮らしや社会の基盤を支える、とても大切な仕事です。
そしてその根底にあるのは「人」です。働く人が安心できる会社こそ、これからの建設業界で長く信頼され続ける企業になります。
制度を正しく理解し、労務環境を整え、書類をきちんと整備していくこと。
それは単なる“準備”ではなく、“信頼”という大きな財産を築く第一歩です。
専門家サポートのご案内 初めての経審も安心してお任せください
「はじめての経営事項審査、何から始めればいいのかわからない」そんな声を多くいただいています
建設業許可を取ったばかりの会社にとって、経営事項審査は非常にハードルが高く感じられる手続きです。
必要な書類が多く、制度も年々更新されており、独力での対応は時間も手間もかかります。
特に、評価点を上げるためにどの資料が重要なのかを見極めることは、初めての方には難しいのが現実です。
当事務所がサポートできること
- 経営事項審査の準備から申請まで一括対応
- 必要書類のリストアップと作成支援
- 評点アップのためのアドバイスと実行支援
- 提出先行政庁への事前確認・同行提出
- 建設業許可の更新や変更手続きの継続支援
「プロに任せる=会社の信頼を高める投資」になります
たとえば、遠足の持ち物を忘れてしまったお子さんが困っていたら、先生や保護者がそっと手助けしてくれますよね。
経審の準備もそれと同じで、制度を熟知している専門家がそばにいれば、迷わず、正しいルートで進むことができます。
制度を理解し、書類を揃えるだけでなく、企業の強みをうまく「見える化」することが評点アップのカギになります。
そしてその作業は、未来の入札参加や信頼構築にもつながっていきます。
どんなご相談でもまずはお気軽に
- 書類の集め方がわからない
- 自社の評点が今どれくらいなのか知りたい
- 来年の経審に向けて今から準備しておきたい
- 許可更新と経審のスケジュール管理が不安
こうした悩みは、建設業専門の行政書士に相談することで、解決までのスピードが格段に早くなります。
当事務所では、御社の実情に応じたサポートを丁寧にご提供しています。
ご相談は無料。初回ヒアリングから伴走支援まで
経営事項審査は「会社の未来に関わる大切な手続き」です。
失敗できないからこそ、最初の一歩を正しく踏み出すことが重要です。
当事務所では、ヒアリングをもとに最適なサポートプランをご提案し、申請後のアフターフォローまで一貫して対応いたします。
建設業専門だからこそ、現場の声に寄り添えます
私たちは日々、地域に根ざした建設会社の皆さまと向き合ってきました。
「社長が現場を見ながら申請の準備もしている」「経理担当がいなくて書類作成が進まない」
そうした現場の悩みを理解し、柔軟に支援できるのが私たちの強みです。
ご連絡方法
- 事務所ホームページの専用フォームからご相談予約
- お電話やメールでも受付中
- オンライン面談も可能(Zoom対応)
どんなに小さなことでも構いません。
まずは一度ご相談いただくことが、未来への大きな一歩となります。
公共工事への挑戦、経審の成功を一緒に目指していきましょう。