技術職員名簿の作り方 ── 数えられる人と、落ちる人
構成:一 Z点の構造/二 名簿に載る人の条件/三 資格区分と配点/四 二業種までという制約/五 つまずきの記録/決算前チェックリスト
第一章Z点の構造
Z点は二つの要素からできています。
- 技術職員数値 ── 業種ごとに、有資格者を点数化して合計したもの。Z点の大半を占めます
- 元請完成工事高 ── 元請として施工した工事の金額。下請専門の会社はここが伸びません
重要なのは、技術職員数値のほうが圧倒的に重いことです。元請工事高を急に増やすのは難しいですが、技術職員名簿は決算前の整理で動かせます。Z点を上げたいなら、まずここを見るのが順序です。
第二章名簿に載る人の条件
誰でも載せられるわけではありません。審査基準日(決算日)以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があることが条件です。
- 決算日の直前に採用した人 ── 6か月に満たなければ、今年の名簿には載りません
- 出向者・派遣 ── 恒常的な雇用関係の判断が問われます
- 役員のうち常勤でない人 ── 常勤性が説明できるかどうか
- 退職予定者 ── 基準日時点で在籍していれば載りますが、翌年は落ちます
採用の時期がそのまま評点に効くということです。決算日の7か月前に採用するのと5か月前に採用するのとでは、その年のZ点が変わります。人員計画を立てるとき、決算日から逆算する視点を持っておくと、同じ採用でも一年早く点になります。
第三章資格区分と配点
技術者は資格の区分ごとに点数が異なります。おおよその序列は次のとおりです。
| 区分 | 点 | 内容 |
|---|---|---|
| 1級監理受講者 | 6 | 1級国家資格者で、監理技術者資格者証を持ち監理技術者講習を受講した者 |
| 1級技術者 | 5 | 1級国家資格者(施工管理技士・建築士・技術士など) |
| 監理技術者補佐 | 4 | 1級技士補など |
| 基幹技能者 | 3 | 登録基幹技能者 |
| 2級技術者 | 2 | 2級国家資格者 |
| その他技術者 | 1 | 実務経験による技術者 |
配点は改正で変わることがあります。実際の申請では必ず最新の手引きでご確認ください。
ここにすぐ効く余地があります。1級国家資格者がいるのに、監理技術者資格者証を取っていない、または講習を受けていない会社です。同じ人が5点から6点になります。資格を取り直す必要はなく、手続きだけの話です。複数人いれば、その分だけ積み上がります。
講習には有効期間があります。切れていると6点から5点に落ちるので、基準日前に受講状況を一覧で確認しておくことをお勧めします。
講習には有効期間があります。切れていれば6点から5点に落ちるため、決算日の前に受講状況を一覧で確認しておくと確実です。配点は改正で変わることがあるので、申請時は最新の手引きでご確認ください。
第四章二業種までという制約
一人の技術者を計上できるのは最大2業種までです。3業種の資格を持っていても、2業種にしか使えません。
つまり「誰を、どの業種に割り当てるか」という配分の設計が発生します。格付を狙う業種に厚く寄せるのが基本ですが、他業種の点数が下がることとの見合いになります。
この配分は、第一部で扱った完成工事高の業種振り分けと連動させるべきものです。工事高を厚くした業種に技術者を薄く配置すると、片方だけ伸びて等級が上がらないことがあります。X1とZを同じ業種で揃えるのが原則です。
第五章つまずきの記録
資格者証・講習修了証が手元にない
本人が持っていて会社が把握していない、というケースです。資格の棚卸しをしたら点が上がったという会社は珍しくありません。入社時の申告だけに頼らず、定期的に確認する運用に変えてください。
CCUSのレベル判定と混同する
CCUSの技能者レベルは、W点の加点に関わるもので、Z点の技術職員数値とは別の話です。技能者と技術者は別だと整理しておく必要があります。CCUSについてはCCUSの講で扱います。
採用と決算日の関係を意識していない
前述のとおり、6か月を超える雇用が条件です。採用のタイミングを一か月ずらすだけで、点になる年が一年変わります。
確認決算前チェックリスト
- 基準日時点で6か月超の雇用がある人を、全員洗い出したか
- 1級国家資格者のうち、監理技術者資格者証を持っていない人はいないか
- 監理技術者講習の受講が切れている人はいないか
- 今期採用した人のうち、6か月に届く人・届かない人を仕分けたか
- 退職予定者は誰か。来期の名簿はどう変わるか
- 格付を狙う業種に、技術者を寄せられているか
- 完成工事高を厚くした業種と、技術者を配置した業種は一致しているか
要件と配点は改正で変わります。実際の申請にあたっては、熊本県「経営事項審査の実施について」および国土交通省の最新の手引きでご確認ください。
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