TSUNAG認定(優良緑地確保計画) ── ランクの決まり方と、建設業から見た関わり方
優良緑地確保計画認定制度、通称TSUNAG認定は、改正都市緑地法に基づいて令和6年11月8日に始まった制度です。民間事業者等や地方公共団体が確保する緑地を、質と量の両面から国土交通大臣が評価し、★から★★★の三段階で認定します。令和7年10月時点の認定は累計19件。ここでは制度の骨格と、建設業から見た関わり方を整理します。
01制度の骨格
根拠は都市緑地法です。改正法は令和6年5月29日に公布され、この認定制度に関する部分は同年11月8日に施行されました。認定するのは国土交通大臣、申請できるのは民間事業者等と地方公共団体です。
出典:国土交通省「優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG)の概要」および令和8年4月1日報道発表。
認定を受けた計画には、優良緑地確保支援事業資金による無利子貸付と、グリーンインフラ活用型都市構築支援事業による補助が用意されています。いずれも対象費用の2分の1以内です。
02ランクは、質と量の両方で決まる
この制度で分かりにくいのは、ランクが一つの点数で決まらないことです。質の点数と、緑地割合という量の条件を、両方満たしたところが自社のランクになります。片方だけ高くても上には行きません。
出典:国土交通省都市局「優良緑地確保計画認定(TSUNAG認定)申請者用手引き」。
質は150点満点で、必須項目70点、選択項目50点、地域の価値向上30点という構成です。評価の観点は、気候変動対策、生物多様性の確保、Well-beingの向上、地域の価値向上、マネジメント・ガバナンス、土地・地域特性の把握と反映に及びます。植えた本数の話ではありません。
計画期間は5年です。認定を受けた事業者は、各事業年度の終了後3か月以内に、事業の進捗、各評価項目の取組状況、設定したアウトカム目標のモニタリング結果を報告します。認定を更新する場合は計画期間の変更認定を申請し、その時点の評価・認定基準で改めて評価されます。基準が見直されていれば、新しい基準が当たります。
03認定の実績と、制度の位置づけ
第1号の認定は令和7年3月18日に公表され、14件が認定されました。令和7年10月24日には6件(うち1件は変更認定)が加わり、累計19件となっています。件数から分かるとおり、現時点の認定は大規模な開発や企業の拠点が中心です。
制度が外部の評価とつながり始めた動きもあります。令和8年5月22日、国土交通省は、TSUNAG認定が日本政策投資銀行のDBJ Green Building認証において「生物多様性への配慮」の評価項目に位置づけられたと発表しました。認証がグリーンボンド等で参照される場面を考えると、緑地の質が資金調達の側から見られる経路ができたことになります。
TSUNAG認定を取得したこと自体が公共工事の入札で加点される、という扱いは、現時点の公表資料では確認できません。経営事項審査の評価項目にも入っていません。制度の価値は、いまのところ発注者側・投資家側からの見られ方にあります。
04建設業から見た使いどころ
- 緑地面積1,000平方メートル以上、緑地割合10%以上という条件から、対象になるのは一定規模以上の開発です。戸建住宅や小規模な外構は入りません。
- 認定を受けるのは緑地を確保する事業者です。施工者は、計画づくりと、認定後の維持管理の担い手として関わることになります。
- 毎年度の報告が5年続くため、設計・施工と維持管理を続けて受けられるかが、関わり方の分かれ目になります。
- 熊本で現実味があるのは、中心市街地の再開発、大規模な事業所や物流施設、公共施設の敷地です。緑地の位置と割合は、基本計画の段階で決まってしまいます。
05まとめ
この制度は、外構をきれいに見せるための話ではありません。緑地の質を国が定義し、点数にし、五年間の運用まで見るという形になっています。建設業の側から言えば、造園や外構を付帯工事として切り出すのではなく、土工、排水計画、維持管理の手順まで含めて一つの計画として組めるかどうかが問われます。
まずは、進行中の案件で緑地面積が1,000平方メートルを超えるものがあるかどうか。あるなら、緑地割合が10%を超えているかどうか。この二つを確かめるところからです。
出典:国土交通省「都市緑地法等の一部を改正する法律について」、同「優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG)の概要」、同都市局「優良緑地確保計画認定(TSUNAG認定)申請者用手引き」、報道発表(令和7年3月18日/令和7年10月24日/令和8年4月1日)。
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