村上事務所

【2025年版】建設業界の最新市場動向を徹底分析!中小企業が取るべき経営戦略とは?

建設業界の「今」をどう感じていらっしゃいますか。

現場の段取りから、お客様との打ち合わせ、資金繰り、そして従業員の皆さんのことまで、本当に多くの役割を日々こなされていることと思います。地域に根ざし、社会の基盤を支える建設業は、誇り高いお仕事です。

さて、そんな多忙な毎日の中で、最近の建設業界を取り巻く環境の変化を肌で感じていらっしゃるのではないでしょうか。

「また資材の値段が上がったな…」

「なかなか新しい人が入ってこないし、ベテランも高齢化してきた…」

「働き方改革って言うけど、現場の状況を考えると簡単じゃない…」

「インボイス制度、結局どう対応するのが一番いいんだろう…」

このように、外部環境は目まぐるしく変化しています。コストは上昇し、人手は不足し、働き方の見直しも迫られる。会社の舵取りは、ますます難しくなっていると感じる場面も少なくないかもしれません。

変化の時代を乗り切るために、この記事がお役に立てること

嵐の中を航海する船には、正確な海図と、現在地を知るための羅針盤が不可欠です。
経営も同じで、変化の激しい時代だからこそ、世の中の動き、つまり「市場がどうなっているのか」という海図と、自社が今どのような状況にあるのかを示す羅針盤が必要になります。

このブログ記事では、

1.現在の日本の建設市場が、全体としてどのような状況にあるのか。

2.そして、これからどのような分野の工事に動きがありそうなのか。

という「市場の動向」を、できるだけ分かりやすくお伝えします。

さらに、その市場の動きが、社長の会社にとって、特に「公共工事への参加」を考えた時に避けては通れない、ある重要な手続きと、どのように関わってくるのかを解説します。

その重要な手続きこそが、今回のテーマである「経営事項審査」、略して「経審(けいしん)」です。

「経営事項審査(経審)」って、そもそも何なのでしょうか。

「経審」という言葉、建設業許可を取られたばかりの社長さんや、これまで民間工事が中心だった社長さんにとっては、初めて聞く言葉かもしれません。あるいは、「名前は知っているけど、詳しくは…」という方もいらっしゃるでしょう。

この「経営事項審査」、実は建設業法という法律で定められている制度です。

根拠となる法律建設業法 第27条の23 第1項
法律の定め(要約)公共性のある施設又は工作物に関する建設工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。

…と法律の条文を読むと少し難しく感じますよね。
簡単に言うと、国や県、市町村といった「公共団体」が、道路や橋、学校といった「公共工事」を発注する際に、「どの建設会社に工事を任せようか」を公平に判断するための、客観的な「ものさし」が必要になります。その「ものさし」の役割を果たすのが、この経営事項審査(経審)なのです。

経審の主な目的

では、なぜこの「ものさし」が必要なのでしょうか。主な目的を整理してみましょう。

目的内容
公共工事の入札参加資格の判断多くの公共工事では、入札に参加するための前提条件として、この経審を受けていることが求められます。いわば「参加チケット」のようなものです。
発注者の客観的な判断材料発注者(国や県など)が、各建設会社の経営状況や技術力などを、統一された基準で客観的に評価するための重要な資料となります。
会社の信頼性の証明経審を受けることで、会社の経営規模や状況、技術力などが点数化され、対外的に「しっかりした会社である」ことを示す一つの証明になります。

例えるなら、会社の「健康診断」であり「通信簿」

「ものさし」と言われても、まだピンとこないかもしれません。そこで、経審を別のものに例えてみましょう。それは、会社の「健康診断」と「通信簿」を合わせたようなもの、と考えるとイメージしやすいかもしれません。

健康診断としての側面

会社の財務状況(売上、利益、自己資本など)を細かくチェックします。人間で言えば、血液検査や体力測定のように、会社の「経営体力」がどれくらいあるかを見るわけです。「この会社は経営的に健全か?」「ちゃんと工事を完成させる体力があるか?」といった点を確認します。

通信簿としての側面

会社の持っている「実力」を様々な科目で評価し、点数をつけます。例えば、

技術力(資格を持った技術者が何人いるか、など)

経営状況(利益は出ているか、財務は健全か、など)

社会性(労働保険・社会保険に加入しているか、法令遵守はどうか、など)

その他の項目(工事実績、若手技術者の育成状況など)

これらの項目を総合的に評価して、会社の「総合点」が決まります。この点数が、まさに通信簿の成績のようなものなのです。

そして、この「健康診断の結果」と「通信簿の点数」が、公共工事の入札において、他の会社と競い合う際の「競争力」に直接つながってくる、というわけです。

経審は、誰が受ける必要があるのか

では、すべての建設会社がこの経審を受けなければならないのでしょうか。

必ず受ける必要がある会社公共工事を発注者(国や地方公共団体など)から「直接」請け負いたいと考えている建設業者。いわゆる「元請」として公共工事に参加したい場合です。
受ける必要がない場合もある会社公共工事を下請としてのみ請け負う場合や、民間工事のみを請け負う場合は、法律上、必ずしも経審を受ける必要はありません。

ただし、元請会社から「経審を受けていること」を下請契約の条件とされるケースも考えられますし、会社の信用力を示す意味で、公共工事を直接請け負う予定がなくても経審を受ける会社もあります。特に、これから会社を成長させ、公共工事にも挑戦していきたいと考えている経営者の皆様にとっては、避けては通れない手続きと言えるでしょう。

この先の章で詳しく解説します

ここまでで、皆さんが日々感じているであろう市場の変化と、会社の「実力」を客観的に示す「経営事項審査(経審)」の基本的な役割について、なんとなくイメージを掴んでいただけたでしょうか。

次の章からは、もう少し具体的に、

・今の建設市場では、実際にどのような工事が増えていて、どのような工事が落ち着いているのか。

・そして、その市場の動きを踏まえた上で、経審の点数を上げるためには、どのような点に注目すれば良いのか。

といった点を、さらに掘り下げて見ていきたいと思います。会社の未来を考える上で、きっとヒントが見つかるはずです。

日本の建設市場、今どんな状況? 数字と構造を分かりやすく解説します

前の章では、会社の「健康診断」であり「通信簿」でもある「経営事項審査(経審)」の基本的な役割についてお話ししました。公共工事を目指す上で、この経審がいかに重要か、少しイメージしていただけたかと思います。

さて、ここからは視点を変えて、皆さんが活躍されている「建設市場」そのものが、今どのような状況にあるのかを見ていきましょう。市場全体の流れを知ることは、会社の進むべき方向を考える上で、とても大切です。

市場規模のジェットコースター、そして今

日本の建設市場の規模、つまり年間の建設工事全体の金額は、これまで大きな波を経験してきました。まるでジェットコースターのように、上がったり下がったりしてきたのです。

すごかった時代、かつてのピーク(1992年度)

今から30年以上前、1992年度(平成4年度)には、年間の建設投資額が約84兆円にも達しました。これは日本の建設市場が最も大きかった、まさにピークの時代です。当時の日本はバブル経済と呼ばれる非常に景気が良い時期で、たくさんのビルや住宅、公共施設が建設されました。

長いトンネルを抜けて(2010年度頃まで)

しかし、そのピークの後、日本の経済状況の変化とともに建設投資は長い間、減少傾向をたどりました。一番落ち込んだ2010年度(平成22年度)には、ピーク時の約半分、42兆円程度まで市場規模が縮小してしまったのです。まるで長いトンネルに入ったような時期でした。

回復の兆し、そして現在地(2011年度以降)

その後、2011年の東日本大震災からの復興需要や、景気の持ち直し、企業の設備投資の回復などを背景に、建設市場はようやく回復基調に転じました。トンネルの出口が見えてきた、という状況です。

最近の数字を見ると、

2023年度(令和5年度)の見通しでは、約70.3兆円。

そして、2024年度(令和6年度)の予測では、さらに増えて約74.2兆円になると見られています。(建設経済研究所 2025年1月推計)

このように、市場は着実に回復し、拡大傾向にあることは確かです。

ただ、ここで一つ覚えておきたいのは、現在の市場規模は回復してきたとはいえ、かつてのピークである約84兆円にはまだ及ばない、ということです。例えるなら、大きな病気をして体力が落ちたけれど、リハビリを頑張ってかなり元気を取り戻した。でも、全盛期の体力に完全に戻ったわけではない、というスポーツ選手のような状況かもしれません。市場環境は改善していますが、昔のように「作れば売れる」という時代ではない、ということは意識しておく必要がありそうです。

要注意。金額は伸びても、実際の「工事量」は? 名目と実質のお話

「市場規模が70兆円を超えて伸びているなら、良いことじゃないか」と感じますよね。もちろん、金額が増えているのは良い傾向です。しかし、ここで一つ、経営者の皆様にぜひ知っておいていただきたい、大切な視点があります。それは「名目(めいもく)」と「実質(じっしつ)」という考え方です。

「名目」と「実質」って何が違うの?

ニュースなどで「名目GDP」や「実質GDP」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。建設投資額にも、この「名目」と「実質」があります。

区分意味(簡単な説明)何を表している?
名目建設投資額その時々の物価(価格)で計算した、単純な建設工事の合計金額。市場の「金額規模」そのもの。
実質建設投資額物価の変動(上がったり下がったり)の影響を取り除いて計算した建設投資額。実際にどれくらいの「量」の工事が行われたか、に近いイメージ。建物の数や道路の長さなど。

つまり、「名目」は単純に金額の大きさ、「実質」は物価の影響を除いた実際の工事ボリューム感、と捉えると分かりやすいでしょう。

なぜ今、この違いが重要なのか

ここ数年、皆さんも実感されている通り、鉄骨やセメント、木材といった建設資材の価格が大きく上昇しました。また、人手不足を背景に、職人さんたちの労務費(人件費)も上がっています。

このような状況で何が起こるかというと、同じ規模の建物を建てる場合でも、工事にかかる「金額(名目額)」は以前より高くなりますよね。

最新の予測を見てみると、この点がはっきりと現れています。

年度名目建設投資額(予測)実質建設投資額(予測)
2025年度(令和7年度)約75.6兆円(前年度比 1.9%増)約58.2兆円(前年度比 0.2%増)

(出典:建設経済研究所・経済調査会 2025年1月推計)

この表が示すように、2025年度の建設投資額は、「名目」では1.9%増えると予測されていますが、「実質」ではわずか0.2%増と、ほとんど横ばいなのです。

これは、市場全体の金額(名目)は増えているように見えても、それは主に資材や人件費といったコストの上昇によって押し上げられている部分が大きく、実際の工事の「量」(実質)はあまり増えていない、ということを意味しています。

これを会社の経営に例えてみましょう。
ある商品の販売単価を値上げしたとします。すると、売上高(名目)は以前より増えるかもしれません。しかし、もしその商品の仕入れ値(コスト)も同じくらい、あるいはそれ以上に上がっていたらどうでしょうか。売れた商品の個数(実質)はあまり変わっていないかもしれませんし、値上げしても利益は増えない、むしろ減ってしまう可能性すらあります。

今の建設市場も、これと似た状況にある可能性があるのです。金額ベースでは成長していても、量的な伸びは鈍化している。これは、コスト管理や生産性向上が、これまで以上に重要になっていることを示唆しています。

仕事はどこから来る? 公共工事と民間工事のバランス

では、その建設工事は、誰が発注しているのでしょうか。発注者によって、工事の種類や性質も変わってきます。建設投資は、大きく「公共投資」と「民間投資」の二つに分けられます。

二つの大きな柱、公共と民間

投資の種類主な発注者具体例
公共投資(政府投資とも呼ばれます)国、都道府県、市町村、
政府系企業など
道路、橋、ダム、河川改修、
学校、公営住宅、上下水道など
民間投資民間企業、個人工場、オフィスビル、店舗、倉庫、
マンション、戸建住宅、
鉄道、電力施設など

どっちが多い? その割合は?

歴史的に見ても、日本の建設市場では「民間投資」が大きな割合を占めてきました。

近年のデータや今後の見通しを見ても、この傾向は変わらないようです。

年度公共投資(政府投資)の割合(目安)民間投資の割合(目安)合計(=総投資額)
2023年度(見通し)約25.3兆円(約36%)約45.0兆円(約64%)約70.3兆円
2024年度(予測, ※)約26.2兆円(約35%)約46.8兆円(約63%)約73.0兆円
2025年度(予測)約27.1兆円(約36%)約48.5兆円(約64%)約75.6兆円

(注)各年度の数字は出典資料により若干異なります。割合は目安です。
(※)2024年度の公共・民間内訳は建設物価調査会の見通しを参考に記載。
(出典参考:建設経済研究所、建設物価調査会)

このように、大まかに言って、市場全体の約3分の1強が公共投資、約3分の2弱が民間投資、という構成になっています。今後も民間投資が市場を牽引する形は続きそうですが、公共投資も一定の規模を維持し、重要な役割を担っていることがわかります。

それぞれの特徴と安定性

  • 公共投資の特徴景気対策や、国土強靭化(災害に強い国づくり)計画など、国の政策に基づいて行われるため、景気の波に左右されにくく、比較的安定しているのが特徴です。特に道路や橋、河川といった「土木工事」の割合が高くなっています。前の章でお話しした「経審」は、まさにこの公共工事の受注を目指す上で重要になってくるわけです。
  • 民間投資の特徴企業の設備投資意欲や個人の住宅購入マインドなど、景気の動向に影響されやすい側面があります。一方で、市場規模が大きく、時代のニーズを反映した多様な工事(例:工場の新設、省エネ性能の高いオフィスビル、物流倉庫、最新設備のマンションなど)が含まれます。こちらは「建築工事」の割合が高くなります。

この章のまとめ。市場の「今」を知る3つのポイント

さて、ここまで現在の建設市場全体の状況について見てきました。ポイントを3つにまとめましょう。

ポイント内容
1.市場規模は回復基調、でも…全体としては回復し拡大傾向ですが、かつてのピーク(84兆円)には及ばず、緩やかな回復です。
2.「名目」と「実質」のギャップに注意資材や人件費の高騰により、工事金額(名目)は増えていますが、実際の工事量(実質)の伸びは鈍化しています。コスト管理が重要です。
3.民間が主役、公共も安定市場の約3分の2を民間投資が占めますが、公共投資も3分の1強を占め、安定した基盤となっています。

市場の全体像を掴んでいただけたでしょうか。

次の章では、もう少し詳しく、「どんな種類の工事」が伸びていて、「どんな分野」に注目すべきなのか、具体的な投資分野別の動向を探っていきます。皆さんの会社の得意分野や、これから力を入れていきたい分野と照らし合わせながら読み進めてみてください。

これからの狙い目は? 建設市場を分野別に徹底解説。住宅・非住宅・リフォーム・公共

前の章では、日本の建設市場全体の大きさや構造、そして「名目」と「実質」の違いといった、マクロな視点でお話を進めてきました。市場全体が回復基調にある一方で、コスト上昇という課題も抱えていることが見えてきましたね。

では、もう少し解像度を上げて、具体的に「どのような種類の工事」に勢いがあり、「どの分野」が今後のビジネスチャンスに繋がりそうなのか、主要な分野別に詳しく見ていきましょう。皆さんの会社の得意分野や、これから力を入れていきたい分野と照らし合わせながら、読み進めてみてください。

分野1.新設住宅投資。少し元気がない? その理由は

まずは、私たちにとって最も身近な建物の一つである「住宅」の新築市場、つまり「新設住宅投資」の動向から見ていきます。残念ながら、この分野は現在、少し元気がない状況が続いています。

最近の数字と見通し

新しい家がどれくらい建てられているかを示す「新設住宅着工戸数」を見ると、減少傾向にあります。例えば、2023年度(令和5年度)は約80万戸と、前の年度から約7%も減少しました。そして、2024年度(令和6年度)や2025年度(令和7年度)も、80万戸を下回る水準で推移するのではないかと予測されています。

投資額で見ても、2024年度の住宅投資全体(公共・民間合計)は、前年度比でわずかに減少(0.7%減)する見込みです。2025年度には名目上は増加(民間住宅投資で2.1%増)に転じる予測もありますが、前の章でお話しした「名目と実質の乖離」を考えると、これは主に建築コストの上昇分を反映したもので、実際の工事量が大きく回復するとは考えにくい状況です。

なぜ元気がない? 背景を探る

では、なぜ新設住宅市場は伸び悩んでいるのでしょうか。いくつかの要因が複合的に絡み合っています。

主な要因内容
建築コストの高止まり資材価格や労務費の上昇が続き、住宅価格が高くなっています。これが購入意欲を抑制する大きな要因です。
金利上昇への懸念住宅ローン金利が将来的に上昇するのではないか、という不安感も、高額な買い物である住宅購入をためらわせる一因となっています。
人口・世帯数の減少長期的に見れば、日本の人口や世帯数が減少していく流れも、新築住宅の需要を抑える方向に働きます。
中古住宅市場の活性化新築にこだわらず、中古住宅を購入してリフォームするという選択肢が、以前よりも一般的になってきていることも影響しているかもしれません。

これらの要因から、残念ながら新設住宅市場は、当面の間、活発な成長を期待するのは難しい状況が続く可能性が高いと言えそうです。

分野2.民間非住宅建設投資。企業の意欲は底堅い

新設住宅市場が少し元気をなくしている一方で、企業が建てる建物、例えば工場、倉庫、オフィスビル、店舗といった「民間非住宅建設」の分野は、比較的しっかりとした動きを見せています。

最近の数字と見通し

投資額を見ると、この分野は堅調に推移しています。

2024年度(令和6年度)の見通しでは、前年度比 4.4%増(約17.9兆円)。

2025年度(令和7年度)の予測でも、前年度比 3.2%増(約18.3兆円)と、引き続き増加が見込まれています。

(出典参考:建設経済研究所、建設物価調査会)

何が投資を支えている?

企業の建設投資意欲は、なぜ底堅いのでしょうか。その背景には、以下のような動きがあります。

主な推進要因内容
企業の国内設備投資意欲人手不足に対応するための省力化投資や、サプライチェーン見直しに伴う国内生産拠点の強化、研究開発施設の建設など、企業の設備投資意欲は根強いものがあります。
デジタル化関連投資社会全体のデジタル化が進む中で、データセンターの新設や増設といった投資が活発です。
都市再開発プロジェクト大都市圏を中心に、オフィスビルや商業施設を含む大規模な再開発プロジェクトが進行中です。
インバウンド需要回復海外からの観光客増加を見込んだ、ホテルや商業施設の建設・改修投資も回復傾向にあります。
(注意点)物流施設インターネット通販の拡大などで需要が急増した物流倉庫については、地域によっては供給が需要を上回り、やや飽和感も指摘され始めています。

このように、分野によって多少の温度差はあるものの、企業の将来に向けた投資意欲に支えられて、民間非住宅建設市場は今後も建設業界にとって重要な柱であり続けると考えられます。

分野3.大注目。建築補修(リフォーム・改修)市場の拡大

さて、ここ数年で急速にその重要性を増し、今後の建設市場を語る上で絶対に外せないのが、この「建築補修(リフォーム・改修)」の市場です。新しいものを作る「新設(スクラップ&ビルド)」だけでなく、今ある建物を直したり、性能を向上させたりして長く大切に使っていく「維持・活用(ストック活用)」への流れが、確実に強まっています。

伸び続ける市場規模

この分野の市場規模は、近年目覚ましい伸びを見せています。

2023年度(令和5年度)の見通しで、約11.3兆円(前年度比4.6%増)。

2024年度(令和6年度)の見通しでは、なんと約15.2兆円(前年度比3.2%増)と、建築投資全体の約3割近くを占めるほどの大きな市場に成長しています。

2025年度(令和7年度)の予測でも、民間建築補修投資だけで約10.8兆円(前年度比2.4%増)と、堅調な伸びが続く見込みです。

(出典参考:建設経済研究所、建設物価調査会)

この数字は、リフォーム・改修工事が、もはや「おまけ」ではなく、建設市場のメインストリームの一つになりつつあることを示しています。

なぜ今、リフォーム・改修なのか?

では、なぜこれほどまでにリフォーム・改修市場が拡大しているのでしょうか。その背景には、社会的な要請や政策的な後押しなど、様々な要因があります。

拡大の背景内容
既存建物の老朽化日本には高度経済成長期などに建てられた建物が多く、それらが一斉に修繕や更新の時期を迎えています。建物を安全・快適に使い続けるための維持管理や修繕の需要は、今後ますます増えていきます。
省エネルギー化への要請 (補助金も後押し!)地球温暖化対策として、建物の断熱性能を高めたり、高効率な空調・給湯設備を導入したりする省エネ改修が強く求められています。国も補助金制度などで積極的に後押ししており、これが市場を大きく牽引しています。
耐震化の必要性特に1981年以前の旧耐震基準で建てられた建物については、地震への備えとして耐震改修の必要性が依然として高く、継続的な需要が見込めます。
商業・宿泊施設の改修インバウンド(訪日外国人旅行者)の回復などを受けて、ホテルや店舗などの商業施設をリニューアルする動きも活発です。
ライフスタイルの変化働き方の変化(在宅ワークスペースの設置など)や、高齢化への対応(バリアフリー化など)、住まいへのこだわりなどから、既存住宅を自分の暮らしに合わせてリフォームする需要も根強くあります。

建物も、私たち人間と同じように、時間が経てば手入れが必要になりますよね。古くなった部分を直す(修繕)のはもちろんですが、最近はそれだけでなく、「もっと健康的に(省エネ化)」「もっと安全に(耐震化)」「もっと快適に(ライフスタイル対応)」暮らせるように、建物の性能や価値そのものを高めるためのリフォーム・改修工事が非常に重要視されているのです。

新築住宅市場が伸び悩む一方で、このリフォーム・改修市場は、景気変動の影響を受けにくい安定性と、社会的な要請に支えられた成長性を兼ね備えています。これは、地域に密着して事業を展開されている中小建設会社の皆様にとっても、非常に大きなビジネスチャンスが眠っている分野と言えるでしょう。

分野4.安定した存在感。公共投資(政府投資)

最後に、前の章でも触れた「公共投資」について、その安定性という側面から改めて確認しておきましょう。

国土強靭化などが下支え

公共投資の額は、景気対策や政策的な判断によって変動はありますが、近年は比較的安定して推移しています。

2024年度(令和6年度)の見通しでは、前年度比 3.7%増(約26.2兆円)。

2025年度(令和7年度)の予測でも、前年度比 2.3%増(約27.1兆円)と、堅調な水準が維持される見込みです。

(出典参考:建設経済研究所、建設物価調査会)

この安定性を支えている大きな柱が、激甚化する自然災害から国民の生命と財産を守るための「防災・減災、国土強靭化」に向けた取り組みです。2021年度から始まった「5か年加速化対策」は終了しましたが、その後も継続的に、必要な予算を確保し、計画的にインフラ整備を進めていく方針が示されています。また、高度経済成長期に整備された道路、橋、トンネルなどのインフラが老朽化しており、その維持管理や更新のための工事も、今後ますます重要になってきます。

工事内容の中心は?

公共投資で行われる工事は、その多くが道路、河川、港湾、上下水道といった社会基盤、つまり「土木工事」です。もちろん、学校や公営住宅といった建築工事もありますが、比率としては土木工事が中心となります。近年は、新しいものを作るだけでなく、既存のインフラを適切に維持管理・更新していく工事の重要性が高まっています。

公共投資は、景気変動の影響を受けにくく、国や自治体の計画に基づいて安定的に発注されるため、建設会社にとって経営の安定化に繋がる重要な柱となり得ます。だからこそ、前の章で述べたように、公共工事の入札参加に不可欠な「経審」の対策が重要になってくるわけです。

この章のまとめ。どこにチャンスがある?

ここまで、主要な建設分野別の動向を見てきました。それぞれの分野の状況をまとめると、以下のようになります。

分野状況を一言でポイント
新設住宅停滞気味コスト高や金利懸念で厳しい状況。当面、大きな回復は期待薄か。
民間非住宅底堅い企業の設備投資意欲に支えられ堅調。ただし分野(工場・倉庫・オフィス等)による濃淡も。
建築補修(リフォーム・改修)絶好調・最重要老朽化対策、省エネ、耐震化など社会的な追い風多数。今後も安定成長が期待される大注目市場。
公共投資安定的国土強靭化やインフラ老朽化対策で需要は底堅い。土木工事が中心。

このように見てくると、建設市場全体が回復基調にある中でも、分野によって成長の度合いや今後の見通しには大きな違いがあることが分かりますね。特に、リフォーム・改修市場の重要性が際立っている点は、今後の経営戦略を考える上で非常に重要なポイントです。

皆さんの会社は、現在どの分野の工事を主に手がけていらっしゃるでしょうか。そして、これからどの分野に力を入れていきたいと考えていますか。自社の持つ技術力や経験といった「強み」と、今回見てきたような「市場のトレンド」を照らし合わせ、今後の事業の方向性を見極めていくことが、変化の時代を乗り切る鍵となります。

さて、市場の動向が少しずつ見えてきました。では、いよいよ次の章で、これらの市場の動きが、皆さんの会社の評価、特に公共工事受注の鍵となる「経営事項審査(経審)」の点数と、具体的にどのように結びついてくるのか、詳しく解説していきます。

なぜ今、経審が重要なのか? 市場の変化とあなたの会社をつなぐ「点数」の話

さて、ここまでの章で、日本の建設市場が全体として回復基調にあること、しかしコスト上昇という課題を抱えていること、そして新設住宅は伸び悩む一方でリフォーム・改修市場が大きく成長していること、公共工事は安定していることなど、分野ごとの具体的な動きを見てきました。

「なるほど、市場の状況は分かった。でも、それがうちの会社にとって、そしてあの『経審』という手続きにとって、具体的にどう関係してくるんだ?」

ここからが、いよいよ本題です。市場の変化と、皆さんの会社の未来を左右するかもしれない「経営事項審査(経審)」が、どのように深く結びついているのか、その理由を一つずつ解き明かしていきましょう。

公共工事という安定した港へ。経審はその「通行手形」

前の章で見たように、公共工事は国の政策などに支えられ、景気変動の影響を受けにくく、比較的安定した需要が見込める分野です。特に、市場全体が不安定な時期や、民間工事の受注が厳しい時には、この安定性は会社経営にとって大きな魅力となります。まさに、荒波の市場の中で頼りになる「安定した港」と言えるかもしれません。

入札参加の「第一関門」

しかし、この「安定した港」に入るためには、必ず通らなければならない関門があります。それが「入札」であり、その入札に参加するための「資格」を得る上で、経営事項審査(経審)を受けていることが、多くの場合、絶対的な条件となるのです。(建設業法 第27条の23)

さらに重要なのは、経審の結果として算出される「総合評定値(そうごうひょうていち)」、通称「P点(ぴーてん)」と呼ばれる点数です。このP点が、参加できる公共工事の規模、いわゆる「ランク(格付け)」を決める基準になることが多くあります。点数が低いと、そもそも規模の大きな工事の入札には参加することすらできない、というケースも少なくありません。

例えるなら、人気の遊園地のアトラクションに乗る時に「身長○○cm以上」という制限があるのと同じです。公共工事というアトラクション(特に大型のもの)に乗るためには、「P点○○点以上」という基準をクリアする必要があるのです。どんなに乗りたいと願っても、基準に達していなければ、スタートラインに立つことすら許されない。それが公共工事の世界における経審の役割の一つです。

点数が高ければ、より有利な航海へ

また、最近の公共工事の入札では、「価格」の安さだけで落札者が決まるのではなく、会社の技術力や地域への貢献度なども含めて総合的に評価する「総合評価落札方式」が増えています。

この方式では、経審のP点だけでなく、その内訳である技術力(Z点)や社会性等(W点)といった項目も評価の対象となります。つまり、単に経審を受けているだけでなく、その「中身=点数」が高いほど、落札できる可能性が高まるのです。経審で高い評価を得ることは、公共工事という大海原を有利に進むための、強力な追い風となってくれます。

ポイント1:公共工事を目指すなら経審は必須

安定した公共工事市場に参入するためには、経審の受審が「入場券」であり、その点数が参加できる工事の規模や落札の可能性を左右する「パスポート」となります。

コスト上昇、競争激化。今こそ「会社の体力」証明が必要

第2章で見たように、建設業界は今、資材価格や人件費の高騰という、かつてないほどのコスト圧力にさらされています。利益を確保するのが難しくなり、経営環境は厳しさを増しています。

発注者の不安。「この会社、本当に大丈夫?」

このような状況下で、工事を発注する側(特に公共工事の発注者である国や自治体)は、何を心配するでしょうか。それは、「この会社に任せて、ちゃんと最後まで工事を完成させられるだろうか?」「途中で経営が行き詰まってしまわないだろうか?」という点です。コスト管理が厳しくなり、経営が不安定になりやすい時代だからこそ、発注者は請負業者である建設会社の「経営体力」を、より慎重に見極めようとします。

経審が示す「経営の健全性」

ここで、経審のもう一つの重要な役割が浮かび上がってきます。経審では、「経営状況分析」、通称「Y点(わいてん)」と呼ばれる項目で、会社の財務状況を客観的に評価します。具体的には、

主な評価指標(Y点に含まれるもの)見ているポイント
収益性ちゃんと利益を出せているか?(例:売上高経常利益率など)
効率性無駄なく経営できているか?(例:総資本回転率など)
財務健全性借金は多すぎないか?自己資本は十分か?(例:自己資本比率など)
安全性支払い能力は大丈夫か?(例:流動比率など)

これらの指標に基づいて算出されるY点は、まさに会社の「財務的な健康状態」を示す診断書です。このY点で高い評価を得ることは、「うちの会社は財務的に健全で、経営体力がありますよ」という客観的な証明となり、発注者の不安を払拭する大きな材料になります。

さらに、この「健全性の証明」は、公共工事の受注だけでなく、金融機関からの融資を受ける際や、元請会社・協力会社との取引においても、会社の信用力を高める上で有利に働く可能性があります。

ポイント2:厳しい時代だからこそ、経審で「信頼」を勝ち取る

コスト上昇で経営環境が厳しい今、経審の「Y点(経営状況分析)」で高い評価を得ることは、発注者や取引先からの信頼を得て、安定した経営基盤を築く上で非常に重要です。

市場の変化に対応する力も「点数」になる?

第3章では、新設住宅が伸び悩む一方で、リフォーム・改修市場が大きく成長している、という市場構造の変化を見てきました。このような市場の変化に、会社としてどのように対応していくか。実は、その対応力も経審の評価に繋がってくる可能性があるのです。

伸びる分野での実績や技術力が評価される

経審では、財務状況(Y点)だけでなく、会社の規模や実績、技術力なども評価されます。主な項目としては、

  • 完成工事高(X1):どれくらいの規模の工事を完成させたか。
  • 技術職員数とその保有資格(Z1):資格を持った技術者が何人いるか。
  • 元請完成工事高(X2):元請としてどれくらいの工事を完成させたか。

などがあります。(これらはX点、Z点といった評価項目の一部です)

もし、皆さんの会社が、今後成長が見込まれるリフォーム・改修分野や、省エネ・耐震化といった社会的にニーズの高い分野で積極的に実績を積み上げていけば、それは完成工事高(X1)の評価に繋がります。また、それらの分野に関連する資格を持つ技術者を育成・確保すれば、技術職員数(Z1)の評価向上に貢献します。

さらに、経審の評価項目の中には「社会性等(W点)」というものがあり、建設業の担い手の育成・確保に関する取り組み(例:若手技術者の雇用、ICT活用など)や、法令遵守の状況、地域への貢献などが評価されます。省エネ関連工事の実績や、環境経営への取り組みなども、将来的にW点の加点項目として評価される可能性も考えられます。

つまり、市場の成長分野に積極的に取り組み、そこで求められる技術力や実績を積み重ねていくことが、結果的に経審の点数アップにも繋がる、という好循環を生み出す可能性があるのです。

ポイント3:市場の変化への対応が、経審の評価向上にも繋がる

成長分野(リフォーム・改修、省エネなど)での実績や技術者育成は、完成工事高(X点)や技術力評価(Z点)、社会性等(W点)の向上に繋がり、会社の競争力を高めます。

ライバルに差をつける、確かな「武器」としての経審

特に地域に根ざして事業を展開されている中小建設会社の皆様にとっては、同じ地域、同じような規模の同業他社との競争は、避けて通れない現実だと思います。

同じ土俵なら、点数が勝負を分ける

公共工事の入札では、まさにこの競争が繰り広げられます。特に、会社の規模や実績が近い企業同士が競合する場合、最終的に受注の可否を分けるのは、ほんのわずかな「経審の点差」である、というケースは決して珍しくありません。

「あの時、あと数点高ければ、あの工事が取れていたかもしれない…」

そんな悔しい思いをしないためにも、経審の点数は、1点でも高く取っておくに越したことはないのです。経審の点数は、厳しい競争を勝ち抜くための、具体的で客観的な「武器」となり得るのです。

継続的な点数アップが競争力の源泉

そして忘れてはならないのが、経審は一度受けたら終わりではない、ということです。原則として毎年、決算が終わるごとに申請し、評価を受け直す必要があります。

これは、見方を変えれば、毎年、会社の状況を見直し、改善していくチャンスがある、ということです。継続的に経審の評点を意識し、「今回はこの項目を改善しよう」「来年に向けてこの資格取得を奨励しよう」といった取り組みを続けることが、会社の競争力を維持し、さらに高めていくための重要なプロセスとなるのです。

ポイント4:経審の点数は、ライバルとの競争に勝つための「武器」

同業他社との競争において、少しでも高い経審の点数は明確なアドバンテージになります。継続的な評点アップへの取り組みが、会社の競争力を高めます。

まとめ。市場と経審、そしてあなたの会社をつなぐ線

ここまで、市場の変化と経営事項審査(経審)が、いかに深く結びついているかを見てきました。重要なポイントを改めて整理しましょう。

市場の動き経審との関連なぜ重要か?
公共工事の安定性入札参加資格、ランク付け、落札有利性安定した収益源確保のため
コスト上昇、経営環境の厳しさ経営状況分析(Y点)による健全性評価発注者や取引先からの信頼獲得のため
リフォーム・改修市場の拡大など需要の変化完成工事高(X点)、技術力(Z点)、社会性(W点)への反映成長分野への対応力強化と評価向上のため
同業他社との競争総合評定値(P点)の差競争優位性を確立するため

このように、建設市場の動向をしっかりと把握し、それに対応しながら経審の評価を高めていくことは、単に公共工事を受注するためだけでなく、変化の激しい時代を乗り切り、会社を持続的に成長させていくための、極めて重要な経営戦略であると言えるでしょう。

「なるほど、経審が大事なのはよく分かった。でも、実際にどうすれば点数が上がるんだ? 手続きも複雑そうだし…」

そう思われた社長さんも多いのではないでしょうか。ご安心ください。次の最終章では、その「経審」という、重要だけれども複雑で分かりにくい手続きについて、私たち建設業専門の行政書士が、どのように皆様のお役に立てるのかを、具体的にお話しさせていただきます。

初めての経審、もう悩まない。専門家が全力サポートします!

これまでの章で、変化する建設市場の動向と、その中で経営事項審査(経審)がいかに重要であるか、そしてそれが会社の評価や競争力にどう影響するのか、具体的なポイントを見てきました。「経審の重要性は理解できた」と感じていただけたのではないでしょうか。

しかし同時に、「重要だとは分かったけれど、具体的に何をどうすればいいのか…」「なんだかすごく大変そうだ…」そんな風に感じている経営者の皆様も、きっと多いはずです。

「重要だけど、大変…」経審に関する、こんなお悩みありませんか?

特に初めて経審を受けられる方や、日々の業務に追われている経営者の皆様からは、次のようなお悩みをよくお聞きします。皆様も、一つや二つ、思い当たることがあるかもしれません。

経審に関するよくあるお悩み
何から手をつければ?そもそも申請の手順が分からず、どこから始めれば良いのか見当もつかない。
書類集めが大変!必要な書類の種類が多く、役所や法務局など、あちこちから集めるのが手間も時間もかかる。
計算や基準が複雑…完成工事高の計算方法や、技術職員の評価基準など、専門的で分かりにくいルールが多くて理解できない。
点数アップの方法は?どうすれば少しでも評点が上がるのか、自社でできる具体的な対策が分からない。
とにかく時間がない!現場の管理や営業活動、資金繰りなど、経営者は多忙。経審の準備にまで手が回らない。
制度変更についていける?経審の基準やルールは時々変わるらしいけど、最新の情報を自分で追いかけるのは難しい。

「そうそう、まさにうちもそうだ」「考えただけで気が重くなる…」そんな風に感じていらっしゃるかもしれませんね。経審は会社の未来にとって重要な手続きですが、その準備には専門的な知識と多くの時間・労力が必要となるのが現実です。

そのお悩み、私たち「建設業専門の行政書士」にお任せください!

でも、ご安心ください。そのような経審に関するあらゆるお悩みを解決し、経営者の皆様を力強くサポートするために、私たち建設業を専門とする行政書士がいます。

行政書士は、官公署に提出する書類の作成や申請手続きの代理を専門とする国家資格者です。中でも私たちは、建設業に関する許認可や経審手続きに特化しており、豊富な知識と経験を持っています。

私たちができること、具体的なサポート内容

私たちにご依頼いただくことで、経営者の皆様は以下のようなメリットを得ることができます。

建設業専門行政書士によるサポート内容
面倒な書類作成、全部お任せください必要書類のリストアップから収集代行(可能な範囲で)、申請書類一式の正確な作成、そして行政庁への提出代行まで、一貫してサポートします。社長や社員の皆様は、煩雑な事務作業から解放され、本来集中すべき経営や現場管理といったコア業務に専念していただけます。
評点アップの「秘策」、一緒に考えます単に書類を作るだけでなく、会社の財務状況や技術者の構成、工事実績などを詳細に分析。決算を迎える前の対策(決算対策)から、技術者の適切な配置、社会保険加入状況の確認など、どうすれば合法的に、かつ効果的に評点をアップできるか、具体的な戦略をオーダーメイドでご提案します。ご希望に応じて、評点のシミュレーションを行うことも可能です。
最新情報を常にキャッチアップし、的確に対応します経審の審査基準や関連法規は、社会情勢の変化に合わせて見直されることがあります。私たちは常に最新の情報を収集・分析し、法改正や制度変更にも迅速かつ的確に対応。お客様が不利にならないよう、常に最善の申請方法を検討します。
手続き全体をスムーズにエスコートします初めて経審を受けられる方はもちろん、毎年の更新手続きも、私たちがナビゲーターとなってスムーズに進行します。申請までのスケジュール管理や、審査機関とのやり取り、途中で生じる様々な疑問点にも、専門家の視点から丁寧にお答えしますので、安心して手続きを進めることができます。

なぜ専門家が必要なのか? 時間・コスト・安心の観点から

「自分でやれば費用が抑えられるのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、専門家にご依頼いただくことで、費用以上の価値を得られるケースが多くあります。

  • 時間の創出:社長や社員の貴重な時間を、煩雑な手続きではなく、売上や利益に直結する業務に使うことができます。これは最大のメリットと言えるでしょう。
  • 受注機会の拡大:専門的なノウハウに基づいた評点アップ対策により、より高いランクの工事に参加できたり、入札で有利になったりする可能性が高まります。
  • リスクの回避:複雑な書類作成や計算ミス、添付書類の漏れなどは、申請の遅れや、本来得られるはずだった評価を得られないといった不利益に繋がる可能性があります。専門家が確実に手続きを行うことで、こうしたリスクを回避できます。
  • 精神的な安心感:「これで合っているだろうか」「何か不備はないだろうか」といった不安から解放され、専門家がバックについているという安心感の中で、経営に集中できます。

これは、例えば険しい山への登山に挑戦する時を想像してみてください。自力で登ることも可能ですが、ルートを知り尽くし、天候の変化にも対応できる経験豊富な登山ガイドがいれば、道に迷うことなく、より安全に、そしてより早く、確実に頂上へたどり着くことができるでしょう。私たち行政書士は、複雑で時に険しい「経審」という山を登るための、経営者の皆様にとっての頼れるガイド役なのです。

書類を作るだけじゃない。私たちは、社長の「パートナー」です

私たちがお届けしたいのは、単なる書類作成代行サービスではありません。私たちは、経営者の皆様のビジョンや目標に寄り添い、会社の持続的な成長と発展を共に目指す「パートナー」でありたいと考えています。

経審の申請はゴールではなく、スタートです。毎年の更新手続きはもちろんのこと、建設業許可の更新や業種追加、関連する許認可の取得など、会社経営に関わる様々な手続きについても、継続的にサポートさせていただきます。

また、私たち行政書士には、法律によって厳格な「守秘義務」が課せられています(行政書士法 第12条)。会社の経営に関する情報など、ご相談いただいた内容が外部に漏れることは決してありませんので、どうぞ安心して、どのようなことでもご相談ください。

「初めての経営事項審査でも安心!迅速な書類作成と評点アップで、公共工事の受注をサポートします。」

この言葉をモットーに、私たちは建設業に従事される皆様を全力でバックアップいたします。

まずはお気軽にご相談ください(初回相談無料)

「うちの会社の場合、経審を受けたら何点くらいになるんだろう?」
「評点アップのために、具体的にどんなことができるか知りたい」
「まずは話だけでも聞いてみたい」

どんな些細なことでも構いません。初回のご相談は無料にて承っております。
まずはお電話、または下記のお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。

お電話でのお問い合わせ

[096-285-3993]

(受付時間:平日 9:00~18:00)

無料相談・お問い合わせフォームはこちら

事務所へのアクセスはこちら
〒861-8039 熊本県熊本市東区長嶺南1丁目3−1-202

まとめ

今回のブログ記事では、変化の激しい日本の建設市場の現状と今後の展望、そしてその中で「経営事項審査(経審)」がいかに重要な役割を果たしているか、具体的なポイントを解説してきました。

  • 市場は回復基調ながらも、コスト上昇や分野による需要の差など、注意すべき点も多いこと。
  • 特にリフォーム・改修市場は大きな成長が見込まれる注目分野であること。
  • 安定した公共工事への参入や、厳しい環境下での信頼性確保、競争優位性の確立のために、経審の重要性がますます高まっていること。

市場の変化は、見方を変えれば新たなチャンスでもあります。そして、そのチャンスを掴み、会社の未来を切り拓くための有効な手段の一つが、経営事項審査(経審)への戦略的な取り組みです。

この記事が、経営者の皆様にとって、経審の重要性を再認識し、前向きに取り組むきっかけとなれば幸いです。

そして、その取り組みを進める上で、「手続きが複雑で大変だ」「専門的なアドバイスが欲しい」と感じた際には、いつでも私たち、建設業専門の行政書士にご相談ください。皆様の会社の成長と発展を、全力でサポートさせていただきます。

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