経営人材の給付金|行政書士村上事務所

経営人材を迎えるときの給付金 ── 三つの類型と、令和8年4月の改正

地域企業経営人材確保支援事業給付金、通称レビキャリは、地方の中堅・中小企業が外部から経営人材を迎えるときの費用負担を軽くする制度です。採用したあとに申請し、給与等の30%が上限の範囲で給付されます。令和8年4月に制度が改正され、転籍型の上限額が変わりました。建設業で事業承継の右腕を探している会社には、使い道があります。

01三つの類型と、上限額

迎え方によって類型が分かれます。完全に移籍してもらうのが転籍型、他社に籍を置いたまま関わってもらうのが兼業・副業型と在籍出向型です。

図1 給付の三類型と上限額三つの類型と、給付の上限額(1人あたり)転籍型420万円元の会社を退職して移籍契約期間は1年以上兼業・副業型200万円雇用契約または請負契約契約期間は3か月以上在籍出向型200万円元の会社に在籍したまま契約期間は3か月以上いずれも給付率は給与等の30%。支給対象期間は雇用期間等または2年間の短いほう対象は資本金10億円未満かつ従業員2,000人以下の法人※令和8年4月の制度改正で、転籍型の上限は450万円から420万円になったと案内されている。 最新額は事業の公式資料で確認のこと。

建設業でいえば、事業承継の右腕、原価管理や工務の責任者、DXの推進役といった位置づけの採用が想定されます。

対象になるのは資本金10億円未満かつ従業員2,000人以下の法人です。県内の建設会社であれば、まず要件から外れることはありません。

令和8年4月に上限額が変わっています

転籍型の上限は、改正前の450万円から420万円になったと案内されています。以前の記事や解説を見て450万円のつもりで計画を立てると、資金計画がずれます。申請の前に、事業の公式資料で最新の額を確認してください。

02登録から給付までの流れ

図2 登録から給付までの流れ申請までの流れ①登録と相談事業に登録し、地域金融機関等の伴走支援を受ける②人材の探索と選定人材プールから候補者を選び、面談して条件を合意する③採用の決定雇用・業務委託・出向のいずれかで契約を結ぶ④給付の申請採用開始後6か月以内(請負型は報酬支払後)に申請する⑤審査と支給契約書や給与明細などの証憑を提出し、審査後に給付給付申請の期限は令和9年2月14日まで(延長後)※採用してから申請する後払いの制度。採用前に給付が決まるわけではない。

採用してから申請する後払いの制度です。採用前に給付が決まるわけではないので、資金繰りは自社で組んでおく必要があります。

実務で気をつけたいのは、給付が後払いだということです。採用して、給与を払って、それから申請します。給付が決まるまでの人件費は自社で持つことになるので、そこを織り込んで採用時期を決めてください。給付申請の期限は令和9年2月14日までとされています。

03要件定義でつまずかないために

  • 「どんな人が欲しいか」ではなく「どの経営課題を解くか」から書き始めます。人物像から入ると、面談で判断がぶれます。
  • その人材を入れることで、原価率や工期、受注構成がどう変わるのかを数字で置きます。審査でも、社内の合意形成でも、同じ材料が要ります。
  • ミッション、評価の方法、任せる範囲を先に決めます。職務記述書は申請書類にもなります。
  • 建設業の場合、経営業務の管理責任者や専任技術者の要件と、この人材の役割が重なるかどうかを確認しておきます。許可の維持に関わる話です。

04あわせて押さえる、雇用関係助成金の手続き

人材まわりでは厚生労働省の雇用関係助成金も選択肢になります。手続きの前提が近年変わっているので、古い情報のまま準備すると手戻りが出ます。

  • 生産性要件は原則廃止。受給額の加算条件だった生産性要件は、令和5年3月31日をもって原則廃止されました。ただし助成金によっては賃上げ要件などの別の基準に置き換わっており、令和4年度までの取組には経過措置が適用される場合があります。
  • 登記事項証明書は原則不要。令和4年8月1日以降、登記情報連携により提出が原則不要になりました。ただし独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が支給事務を担う助成金など、引き続き必要な場合があります。
  • 勧誘には応じない。厚生労働省は、助成金の申請を電話や訪問で勧誘することはないと明言しています。公的な案内を装った勧誘が報告されているので、案内を受けたら相手の会社情報を確かめ、不安があれば労働局かハローワークに直接問い合わせてください。

05まとめ

この給付金は、採用そのものを補助する制度ではなく、迎えた人材が定着するまでの費用を後ろから支える制度です。だから、採用の巧拙より先に、その人に何を任せるかが決まっているかどうかで結果が変わります。金額は令和8年4月に動いています。数字は必ず最新のものを確認してください。

出典:地域企業経営人材マッチング促進事業(レビキャリ)の公表資料、中小企業庁ミラサポplus掲載情報、厚生労働省「雇用関係助成金」関連の公表情報。

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