村上事務所

熊本市への事業拠点設立のご提案:成長とイノベーションを加速する戦略的選択

1. 序論:熊本市が次世代のビジネス拠点として選ばれる理由

熊本市は、単なる地方都市の枠を超え、貴社の持続的成長とイノベーションを実現するための戦略的パートナーとなるポテンシャルを秘めています。九州の中核としての地理的優位性、イノベーションを担う豊富な人材、そして全国トップクラスの手厚い行政支援。これら三つの要素が三位一体となり、他に類を見ない卓越したビジネス環境を創出しています。

本提案書は、貴社の次なる飛躍に向けた重要な意思決定に際し、熊本市が持つポテンシャルを多角的かつデータに基づいて解き明かすものです。事業基盤の強固さから、従業員の生活の質(QoL)向上、そして具体的な財政支援に至るまで、貴社の成功を後押しする熊本市の価値を網羅的に論証します。まずは、活気と暮らしやすさが融合した成長都市・熊本の全体像から、その戦略的価値をご確認ください。

2. 熊本市の概観:活気と暮らしやすさが融合した成長都市

企業の立地選定において、優れた事業環境はもちろんのこと、従業員とその家族が安心して豊かに暮らせる生活の質(QoL)は、優秀な人材を惹きつけ、定着させる上で極めて重要な経営資源です。熊本市は、ビジネスの成功と質の高い生活を両立させる「上質な生活都市」として、事業と暮らしの双方に最高の価値を提供します。

熊本市は九州の中央に位置する人口約74万人(都市圏人口約112万人)の中核都市です。2016年の熊本地震から着実な復興を遂げ、中心市街地では「まちなか再生プロジェクト」が進行。防災機能を高めるとともに、新たな賑わいを創出する拠点へと進化を続けています。街のシンボルである日本三名城の一つ・熊本城が聳え、2024年8月に開業100周年を迎えるレトロな市電が走る風情ある街並みは、豊かな歴史と文化を今に伝えています。

同時に、熊本市は「日本一の地下水都市」と称されるほど、自然との調和がとれた都市でもあります。水道水の100%が阿蘇の伏流水に由来する良質な天然地下水で賄われ、市内には清らかな水を湛える江津湖や緑豊かな金峰山が広がります。週末には世界有数のカルデラを誇る阿蘇や、美しい島々が連なる天草へも容易にアクセスでき、従業員に最高のリフレッシュ環境を提供します。また、「馬刺し」「からし蓮根」「太平燕(タイピーエン)」といった独自の食文化も、日々の生活に彩りを加える大きな魅力です。

充実した商業・文化施設

中心市街地には、バスターミナルやホールを併設した大規模複合施設「SAKURA MACHI Kumamoto」や、西日本最大級の規模を誇る「上通・下通アーケード」が広がります。多彩な店舗が軒を連ねるアーケード街は、オフィス街の中心に位置し、ビジネスと生活の両面に比類なき利便性と活気をもたらします。

安心の子育て・医療環境

熊本市は、貴社の従業員が家族と安心して暮らせる盤石な基盤を提供します。複数年にわたり待機児童ゼロを達成し、病児・病後児保育の体制も整備。さらに、小児科・内科・外科において24時間365日受診可能な初期救急体制を構築しており、万一の際にも万全な医療環境が整っています。

このように、熊本市の優れた生活環境は、貴社の高度人材獲得・定着戦略において強力な追い風となります。そして、この魅力的な生活基盤の上に、企業の成長を直接的に支える強固なビジネスインフラが構築されています。

3. 卓越したビジネスインフラ:成長を支える強固な基盤

企業の持続的な成長をドライブするのは、効率的な物流網、優秀な人材、そして優れたコスト競争力といった強固なビジネスインフラです。熊本市は、これら全ての要素を高次元で満たしており、貴社の競争優位性の確立に決定的な貢献をします。

3.1. 国内外を繋ぐ戦略的交通アクセス

九州の中心に位置する熊本市は、国内主要都市はもちろん、成長著しいアジア市場への「ゲートウェイ」として機能する地理的優位性を有しています。充実した空路・陸路・海路のネットワークが、効率的でスピーディーなビジネス展開を可能にします。

空路:阿蘇くまもと空港からの主要都市へのアクセス

行先所要時間便数
東京(羽田)90分18便/日
大阪(伊丹)65分12便/日
ソウル(仁川)90分14便/週
台湾(台北)135分12便/週
香港210分4便/週

陸路:新幹線・高速バスによる九州主要都市へのアクセス

行先所要時間(最速)
博多33分(新幹線)
鹿児島中央43分(新幹線)
福岡75分(高速バス)

海路:国際物流の拠点「熊本港」

航路便数
韓国・釜山港2便/週
兵庫・神戸港1便/週

さらに、将来の発展を見据え、中心部から高速道路ICまでを約10分、熊本空港までを約20分で結ぶ「10分・20分構想」が進行中です。この戦略的な道路網整備は、物流を劇的に効率化し、貴社の企業活動をさらに加速させます。

3.2. イノベーションを担う豊富な人材

熊本県内では、毎年約5,000人の理工系新卒者が輩出されており、これは特に技術集約型産業にとって決定的なアドバンテージです。市内には熊本大学、熊本県立大学、崇城大学など8つの大学と1つの短期大学が集中しており、多様な分野における質の高い人材の安定的な供給を保証します。市は、企業と教育機関との連携を積極的に仲介するほか、「UIJターンサポートデスク」を通じて、貴社の専門人材確保を強力にバックアップします。

3.3. 優れたコスト競争力と独自の資源

熊本市は、全国の主要都市と比較してオフィス賃料や土地価格が低く、卓越したコストパフォーマンスを実現します。これにより、貴社の初期投資およびランニングコストを大幅に圧縮し、経営資源を中核事業へ集中させることが可能になります。

また、熊本市が持つ最大の独自資源が、豊富で良質な地下水です。水道水の100%を天然地下水で賄う環境は、まさに「蛇口をひねればミネラルウォーター」と形容されるほどです。この清冽な水資源は、精密な水質管理が求められる半導体産業や、品質が命となる食品産業にとって、他では得られない決定的な立地優位性となります。

4. 投資を加速させる企業立地補助制度

企業の新規進出や事業拡大において、初期投資の負担軽減は、迅速な事業立ち上げと成功の鍵を握ります。熊本市は、企業の挑戦を力強く後押しするため、「全国トップクラス」と評される手厚い補助制度を用意しています。これらの制度は、熊本県の補助制度との併用も可能であり、貴社の財務的リスクを最小化し、大胆な戦略投資を可能にします。

製造・物流関連産業支援(最大補助額:30億円)

  • 用地取得費:土地取得費の15%を補助
  • 賃料:土地・建物賃料の1/2を12ヶ月分補助
  • 設備投資:投下固定資産(建物・償却資産)額の7~10%を補助
  • 新規雇用:新規雇用正社員1名につき最大100万円を補助

情報通信関連産業支援(最大補助額:3億円)

  • 賃料:土地・建物賃料の1/2を36ヶ月分補助
  • 設備投資:投下固定資産(建物・償却資産)額の9~10%を補助
  • 新規雇用:新規雇用正社員1名につき最大100万円を補助

本社機能移転支援(最大補助額:10億円・移転型)

  • 賃料:土地・建物賃料の1/2を36ヶ月分補助
  • 設備投資:投下固定資産額の最大15%を補助
  • 新規雇用:新規雇用正社員1名につき最大120万円を補助
  • その他:クラウドサービス利用経費を補助

進出検討段階からの支援

  • マーケティングリサーチ促進事業補助金:3大都市圏からの視察経費(例:首都圏から35,000円/人)を支援
  • 熊本港国際コンテナ利用拡大助成事業:新規利用企業は1TEUあたり20,000円を助成

これらの包括的な補助制度は、貴社の財務的リスクを大幅に低減し、より大胆かつ戦略的な投資判断を可能にします。この強力な支援体制のもと、既に多くの企業が熊本市で成功を収めています。

5. 成功が生まれるエコシステム:実績と将来性

5.1. 多様な産業の集積

かつて「シリコンアイランド」と呼ばれた九州の中でも、熊本都市圏は半導体、自動車、食品、そしてIT・コンテンツといった多様な産業が集積するイノベーションのハブとして発展してきました。この厚みのある産業集積は、企業間の協力体制やサプライチェーンの構築において極めて有利な環境を提供し、新たなビジネスチャンスを創出します。

5.2. 近年の企業立地実績

熊本市の戦略的価値は、近年、多様な分野のリーディングカンパニーが立地協定を締結している事実によって証明されています。

  • スマートスタイル・コンプレックス株式会社(Webサイト企画・制作)
  • アルサーガパートナーズ株式会社(ワンストップDXソリューション事業)
  • Horizon One株式会社(経理・人事分野のBPO業務)
  • 日本郵政コーポレートサービス株式会社(BPO事業)
  • 株式会社ドゥシステム(システム開発)

これらの企業がIT、BPO、Web制作、システム開発など、多岐にわたる業種であることは、熊本市のビジネス環境が特定の産業に限定されない、普遍的な競争力を持つことの証左です。

5.3. 未来への投資:半導体関連産業用地の整備

世界的な半導体メーカーTSMCの進出を契機に、熊本市は未来の産業構造を見据えた戦略的な投資を実行しています。現在、民間事業者と連携し、半導体関連産業の一大集積地を形成すべく、全体で約48haにも及ぶ大規模な産業用地の整備を推進中です。この計画は、熊本市が将来の産業変化に積極的に対応し、さらなる投資とイノベーションを呼び込むための、貴社に対する明確なコミットメントです。

6. 事業展開を支える包括的サポート体制

  • ネットワーク構築支援(誘致企業交流会):地域経済への迅速な統合と新たなビジネスチャンス創出を目的に、市が主導する質の高いネットワーキング機会を定期提供。同業種・異業種の企業との戦略的連携を促進します。
  • スタートアップ・新規事業支援(XOSS POINT.):市内初のスタートアップ支援施設を通じて、新規事業開発やイノベーション創出を強力にサポート。スモールオフィスや交流イベントにより最適なインキュベーション環境を提供します。
  • 人材確保支援(合同就職面談会等):合同就職面談会やUIJターンサポートデスクの運営により、採用活動を直接的に支援。必要人材のタイムリー確保に向け強力なパイプラインを提供します。

7. 結論:貴社の未来を、熊本市で

本提案書で詳述した通り、熊本市は貴社の成長戦略を実現するための5つの核心的な価値を提供します。

  1. 戦略的立地:九州の中心、アジアへのゲートウェイとしての地理的優位性。
  2. 卓越したビジネスインフラ:効率的な交通網、豊富な人材、独自の資源。
  3. 強力な財政支援:全国トップクラスの企業立地補助制度。
  4. 実績あるエコシステム:多様な産業集積と未来への積極的な投資。
  5. 包括的なサポート体制:進出後も続く、事業の成長を支えるパートナーシップ。

熊本市を選択することは、単なるコスト削減や拠点拡大には留まりません。それは、企業の未来の成長とイノベーションに対する、最も確かな戦略的投資です。貴社の熊本市へのご進出を心より歓迎いたします。ご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先

熊本市企業立地推進課

  • TEL:096-328-2386
  • メール:kigyouritti@city.kumamoto.lg.jp

熊本市首都圏企業誘致センター

  • TEL:03-3262-3840
  • メール:toukyoujimusho@city.kumamoto.lg.jp

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