
【最新情報】令和7・8年度 熊本県の公共工事「入札参加資格・格付」について
熊本県工事入札参加者資格の認定及び格付について
1.令和7・8年度 熊本県工事入札参加資格の認定と格付。今年は何が違うのでしょうか?
まず最初に、私たちが事業を行うこの熊本県における、公共工事に参加するための資格、その最新の動向から見ていきましょう。今年、令和7年度と令和8年度は、建設業界にとって一つの節目となる年です。なぜなら、2年に一度、定期的に行われる入札参加資格の受付の年、通称「表年(おもてどし)」に該当するからです。
「表年」とは、少し分かりやすく言いますと、熊本県内で公共工事を受注したいと考えている建設会社さんが、一斉に「うちの会社はこんな実力ですよ」というのを県に申請し、県がその内容を審査して、今後2年間の公共工事に参加する資格を認定し直す、大切なイベントのようなものです。ちょうど、学校で2年に一度クラス替えがあって、新しいクラスでの自分の立ち位置が決まるようなイメージでしょうか。この「表年」での評価が、これから先の2年間の公共工事受注に大きく影響してくるわけです。
今回の「表年」で特に知っておきたいポイント
注目ポイント | 内容 | 簡単な補足説明 |
---|---|---|
格付(等級分け)が行われる業種 | 特に重要な業種である「土木一式工事」「建築一式工事」「舗装工事」「電気工事」「管工事」の5つです。 | これらの業種では、会社の規模や技術力などに応じてランク分け(等級付け)が行われます。大きな公共工事ほど、高いランクの会社しか参加できない、といったルールがあるため重要です。 |
参加業者数の変化 | 熊本県全体で見ると、前回(令和6年度)に比べて資格を持つ業者の数が少し減っています(具体的には356業者減少)。 | 特に、土木一式、建築一式、管工事での減少が目立っています。これは、今後の入札の競争環境を考える上で、少し頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。 |
今回認定される資格の有効期間 | 令和7年(2025年)4月1日から、令和9年(2027年)3月31日までの2年間です。 | この2年間、今回認定された資格と格付(等級)で、熊本県の公共工事に参加することになります。 |
これらの情報は、熊本県が公式に発表している資料に基づいています。最新かつ正確な情報は、必ず熊本県のホームページ等でご確認ください。
特に、先ほど挙げた5つの主要な業種(土木一式、建築一式、舗装、電気、管)で、これから積極的に公共工事を受注していきたいと考えている社長さんにとっては、この「格付」でどの等級に入れるかが、今後の事業展開を左右する非常に大きなポイントとなります。
2.格付の仕組みを理解しましょう。5つの主要業種はどう評価されるのでしょうか?
それでは、会社の公共工事におけるランク、すなわち「格付」は、具体的にどのようにして決まるのでしょうか。熊本県の場合、先ほどお伝えした5つの主要業種については、会社の総合的な実力に基づいて等級分け(Aランク、Bランク…といった形)が行われます。それ以外の24業種については、等級でのランク分けは行われず、申請した会社の中での順位付けのみとなります。(ただし、会社の合併といった特別な事情がある場合には、順位を決める際に少し有利になるような配慮がされることもあります。)
この重要な格付(等級)を決めるための評価は、大きく二つの柱で構成されています。これを、会社の健康診断に例えて考えてみましょう。
格付を決める2つの評価の柱
評価の柱 | 内容 | 例えるなら… | ここがポイント |
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経営点(客観的な評価) | これは、皆さんが受ける経営事項審査(経審)の結果、算出される総合評定値(そうごうひょうていち)、通称 P点という点数がそのまま使われます。 | 健康診断の「検査数値データ」(体重、血圧、血液検査の結果など) | 会社の売上規模や財務状況(自己資本はどれくらいあるか、借入は多くないかなど)、所属している技術者の数といった情報を、決められた計算式に基づいて客観的に点数化したものです。経審を受けることで、この会社の経営状態を示すスコア(P点)が決まります。 |
技術点(主観的な評価) | こちらは、熊本県が独自に定めている基準に基づいて、皆さんの会社の「技術力」や「地域への貢献度」などを評価するものです。 | 健康診断の「問診」や「生活習慣の評価」(運動習慣、食生活、地域活動への参加など) | 具体的には、過去に行った熊本県発注工事の出来栄え(工事成績評定)、県などから受けた表彰、地域貢献活動(例えば、地元の消防団に参加している、災害時の協力体制を整えているなど)といった点がプラス評価されます。逆に、過去に粗雑な工事をしてしまったり、指名停止などの処分を受けたりするとマイナス評価になることもあります。数字だけでは表せない、会社の質や信頼性、地域での評判などが評価される部分です。 |
総合点数と等級が決まるまで
そして、この二つの点数、「経営点(P点)」と「技術点」を足し合わせたものが、あなたの会社の総合点数となります。
経営点 (P点:客観的な経営状況スコア) + 技術点 (熊本県独自の評価) = 総合点数 (会社の総合評価)
しかし、この総合点数だけで等級が決まるわけではありません。最終的な等級は、この総合点数に加えて、
等級決定のための追加チェック項目(資格要件)
会社の工事実績 | 平均してどれくらいの規模の工事を完成させてきたか(平均完成工事高) |
技術者の体制 | どれくらいの人数、どんな資格(1級、2級など)を持った技術者がいるか(技術職員数) |
会社の財務体力 | 会社の純資産はどれくらいあるか(自己資本額) |
建設業許可の種類 | 特定の等級では、より厳しい要件が課される「特定建設業許可」が必要になることもあります。 |
といった、いわば会社の基礎体力や資格のようなものが、各等級ごとに定められた基準を満たしているかどうかも合わせて判断され、最終的に所属する等級(土木・建築ならA1、A2、B、C、D。舗装・電気・管ならA、B、C)が決まるのです。
初めて資格認定を受ける社長さんへ、大切な心構え
原則として、初めて熊本県の入札参加資格の認定を受ける会社は、一番下の等級からのスタートとなります。「最初から一番上を目指したい!」という気持ちも分かりますが、焦る必要はありません。まずは確実に一番下の等級の資格を取得し、公共工事に参加できるスタートラインに立つことが重要です。そこから一歩一歩、着実に実績を積み重ね、会社の力をつけながら、段階的に上の等級を目指していく。これが、結局は一番確実で、会社を成長させる道筋になります。
3.【重要ポイント】経審の「技術点」が変わります。見逃せない変更点とは何でしょうか?
さて、今回の令和7・8年度の格付、つまり等級分けにおいては、先ほどご説明した評価の柱の一つである「技術点」の計算方法(評価基準)に、いくつか見直しが行われました。これは、今後の公共工事への入札戦略を考える上で、無視できない変更点ですので、しっかり内容を理解しておきましょう。特に影響が大きいと思われる変更点は、以下の二つです。
変更点1.評価項目からこれがなくなりました「エコアクション21の取得状況」
これまで、環境経営システムの一つである「エコアクション21」の認証を取得していると、技術点の加点対象となっていました。しかし、今回の格付からは、この項目が評価対象から外れることになりました。
なぜこの項目がなくなったのでしょうか?
その理由は、経営事項審査(経審)本体の評価項目の中に、既に環境への配慮に関する評価(例えば、国際的な環境規格であるISO14001の認証取得など)が含まれているからです。つまり、同じような内容が二重で評価されることを避けるために、熊本県独自の技術点の評価項目からは削除された、ということです。決して、環境への取り組みが評価されなくなったわけではありません。評価の仕方が整理された、と理解するのが適切でしょう。
変更点2.より柔軟な選択が可能になりました「等級変更希望措置」の追加
これは、私たち建設会社の経営状況や戦略に合わせて、より柔軟に入札に参加する等級を選べるようにするための、新しいルールです。
これまでのルール(残留措置)
以前からあったルールとして、今回の格付(令和7・8年度)で、計算上は前回の等級(令和6年度)よりも上の等級にランクアップする資格があると判定された場合でも、「いや、うちの会社はまだ、その上の等級で競争するには時期尚早だ。もう少し力をつけてから挑戦したい」と考えれば、希望により前回の等級に留まることができる「残留措置」という制度がありました。
今回追加された新しい選択肢
今回からは、この残留措置に加えて、逆のケース、つまり計算上の等級が前回の等級よりも下の等級にランクダウンする場合でも、さらに「うちの会社としては、もっと下の、より受注しやすい規模の工事が多い等級で、まずは着実に実績を重ねていきたい」と希望すれば、計算上の等級よりも、さらに下の等級に変更することを希望できるようになりました。
この新しい措置が意味すること
例えば、会社の事業規模を戦略的に見直したり、得意な工事分野が変わったりした場合に、「無理して高い等級を維持するよりも、今の会社の身の丈に合った等級で、確実に受注機会を狙いたい」といったニーズに応えることができるようになります。これにより、会社の実情に合わせて、より戦略的に入札に参加する等級を選択できるようになった、と言えるでしょう。
これらの技術点の変更点は、自社の強みは何か、弱みは何か、そして今後どのような公共工事を狙っていくのか、といった経営戦略を練る上で、考慮に入れるべき重要な情報となります。
4.技術点をアップさせるにはどうすれば良いでしょうか?評価項目と対策のヒント
公共工事の受注チャンスを広げるためには、客観的な経営状況を示す経営点(P点)を高める努力はもちろんですが、熊本県が独自に評価する「技術点」をいかに伸ばしていくかが、非常に重要な鍵となります。特に、P点は急に上げることが難しい場合もありますが、技術点は日々の努力や工夫次第で着実に積み上げていくことが可能です。
ここでは、特に私たちのような中小規模の建設会社でも、比較的取り組みやすい技術点の評価項目と、その点数を上げるための具体的な対策や考え方のヒントをいくつかご紹介します。これらの取り組みは、単に点数を上げるだけでなく、会社の信頼性を高め、地域社会からの評価向上にも繋がるものばかりです。ぜひ、自社でできることから始めてみませんか?
技術点アップにつながる主な取り組み
大項目(目指す姿) | 評価項目(具体的な指標) | 行動・対策例(私たちができること) | 考え方のヒント(なぜ重要か) |
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① 良い仕事をする | 工事成績 | 熊本県が発注した工事で、常に高い評価点(例: 80点以上)を目指す。安全管理、工程管理、品質管理を徹底する。発注者とのコミュニケーションを密にする。 | これが最も基本的かつ重要です。一つ一つの工事の出来栄えが、会社の評価そのもの。丁寧な仕事ぶりは、次の受注に繋がる最高の営業活動です。 |
表彰 | 熊本県や国などが行う優良工事表彰などを目標にする。創意工夫や技術提案を積極的に行う。 | 表彰は、会社の技術力が客観的に認められた証。会社のブランド価値を高め、社員のモチベーション向上にも繋がります。 | |
② 地域に貢献する | 地域貢献活動 | 地域の消防団への参加・協力。災害時の応急対応などに関する協定を県や市町村と結ぶ。地域の清掃活動やイベントへのボランティア参加。地元からの資材調達や地元業者との連携。 | 会社は地域社会があってこそ成り立ちます。「地域に生かされ、地域を支える」という姿勢が評価されます。信頼される会社は、いざという時に頼りにされ、結果的にビジネスチャンスも広がります。 |
労働福祉の状況 | 従業員の社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険)への適切な加入。建設業退職金共済(建退共)制度への加入・履行。ワークライフバランスへの配慮。 | 従業員を大切にする会社は、良い人材が集まり、定着し、結果的に会社の技術力や生産性の向上に繋がります。法令遵守はもちろん、働きがいのある環境づくりが評価されます。 | |
③ 未来へ投資する | 研修会への参加 | 熊本県建設技術センターなどが主催する技術講習会や研修会へ、経営者や従業員が積極的に参加する。資格取得支援制度を設ける。 | 建設技術は日々進歩します。常に新しい知識や技術を学び続ける姿勢、人材育成への投資が、会社の持続的な成長の基盤となり、評価されます。 |
若手・新卒者の雇用 | 高校や専門学校、大学などの新規卒業者を正社員として採用する。若年者(例: 35歳未満)を積極的に雇用し、技術指導を行う。インターンシップを受け入れる。 | 建設業界全体の課題である担い手不足解消に貢献する姿勢が評価されます。若い力を育て、技術を継承していくことは、会社の未来だけでなく、業界全体の未来にとっても重要です。 | |
④ 会社の信頼性を高める | その他の評価項目 | ISO9001(品質)やISO14001(環境)などの認証取得。BCP(事業継続計画)を策定し、定期的に見直しや訓練を行う。コンプライアンス(法令遵守)体制の整備。女性技術者の活躍推進。 | これらの取り組みは、会社の管理体制がしっかりしていること、リスクへの備えができていること、社会的な要請に応えていることの証明となり、総合的な信頼性向上に繋がります。 |
ポイントは「できることから、着実に」
ここに挙げたすべての項目で満点を取る必要はありませんし、すぐにすべてを実行するのは難しいかもしれません。大切なのは、まず自社の状況を把握し、「これなら今すぐ取り組める」「これはうちの会社の強みを活かせそうだ」という項目を見つけることです。そして、目標を立てて、一つ一つ着実に実行し、継続していくこと。その積み重ねが、数年後には大きな技術点の向上、そして会社の成長に繋がっていくはずです。
5.格付等級はどう決まるのでしょうか?クリアすべき資格要件
これまで、格付が「総合点数(経営点+技術点)」という評価で決まる側面と、その総合点数を構成する「経営点(P点)」と「技術点」について詳しく見てきました。しかし、最終的にあなたの会社がどの等級(A1、A2、B、C、Dなど)に位置づけられるかは、点数だけで決まるわけではない、という点も理解しておく必要があります。
各等級には、それぞれ「この等級にふさわしい会社であるためには、最低限これらの条件はクリアしていてくださいね」という資格要件が設けられています。これは、テストの点数(総合点数)が良くても、そもそも受験資格がなかったり、特定の科目の基準点(資格要件)を満たしていなければ合格できない、というのに似ています。
具体的にどのような要件があるのか、土木一式工事を例に、等級ごとのイメージを見てみましょう。
等級ごとに求められる資格要件のイメージ(土木一式工事の場合)
等級 | 求められる主な資格要件のイメージ(あくまで一例です) |
---|---|
A1等級(最上位ランク) | 総合点数非常に高い基準点をクリアしていること。建設業許可特定建設業の許可を持っていること。工事実績過去数年間の平均完成工事高が、非常に高い基準額以上であること。技術者1級の国家資格を持つ技術者が、一定数以上在籍していること。財務体力自己資本額が、非常に高い基準額以上であること。 |
A2等級(上位ランク) | 総合点数高い基準点をクリアしていること。建設業許可原則として特定建設業の許可。または、それに準ずる高い完成工事高の実績。工事実績平均完成工事高が、高い基準額以上であること。技術者1級の技術者が複数名、またはそれに準ずる技術者体制があること。財務体力自己資本額が、高い基準額以上であること。 |
B等級(中位ランク) | 総合点数標準的な基準点をクリアしていること。建設業許可特定建設業許可は必須ではないことが多い。工事実績平均完成工事高が、標準的な基準額以上であること。技術者1級または2級の技術者が在籍していること。財務体力自己資本額が、標準的な基準額以上であること。 |
C等級・D等級(基礎ランク) | 総合点数各等級の基準点をクリアしていること。工事実績・技術者・財務体力上位等級に比べると、求められる基準は緩やかになりますが、それぞれの等級で定められた最低限の基準は満たす必要があります。 |
※重ねてになりますが、これはあくまで等級ごとの条件のイメージを掴んでいただくための例です。実際の業種ごと、年度ごとの具体的な資格要件(必要な点数、金額、人数など)は、必ず熊本県が公表している最新の「工事入札参加資格審査申請の手引き」や「格付基準に関する要綱」といった公式資料で詳細をご確認ください。
目標設定とステップアップの考え方
建設業許可を取得したばかりの会社や、公共工事の実績がまだ少ない会社の場合、いきなりA1やA2といった上位等級の資格要件をすべて満たすのは、現実的には難しいことが多いです。ですから、まずは目標として、一番下の等級(例えばD等級)の資格要件を確実にクリアし、公共工事の入札に参加できる資格を得ることを目指しましょう。そして、実際に小規模な工事からでも受注実績を積み重ね、会社の経営基盤(完成工事高、技術者の確保・育成、自己資本の充実)を強化しながら、数年かけて一つ上の等級、さらにその上へと、段階的にステップアップしていく計画を立てることが、着実な成長への道筋となります。
6.格付結果はどこで確認できるのでしょうか?公表方法とスケジュール
経営事項審査(経審)を受け、入札参加資格の申請を終えた後、社長さんが最も気になるのは、「それで、うちの会社は結局どの等級になったのか?」という結果ですよね。ご安心ください。令和7・8年度の熊本県工事入札参加資格(県内に本店を持つ建設業者)の認定結果と、各社の格付(等級や順位、点数など)については、きちんと公表されることになっています。いつ、どこでその結果を確認できるのか、事前にしっかりと把握しておきましょう。
格付結果を確認できる場所
確認場所の種類 | 具体的な場所や方法 |
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熊本県庁の窓口 | 土木部 監理課 閲覧室(県庁 行政棟本館11階)県庁 情報プラザ(県庁 行政棟本館1階)これらの場所で、有資格者名簿を直接閲覧することができます。 |
お近くの広域本部(地域振興局) | 各広域本部(地域振興局)の総務担当課でも閲覧可能です。 |
インターネット経由 | 熊本県電子入札システム内の「入札情報公開サービス」で、会社名などで検索して確認できます。熊本県の公式ホームページにも情報が掲載される予定です。インターネットでの確認が、おそらく最も手軽で早い方法でしょう。 |
これらの方法で、「熊本県工事入札参加資格者名簿」といった形で、資格が認定された会社のリストが公開されます。この名簿には、会社名、所在地、代表者名などに加えて、格付された等級(土木A1、建築Bなど)、総合点数、そして各業種内での順位といった重要な情報が含まれています。
結果が公表される時期(スケジュール)
公表される媒体 | 公表予定日 |
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熊本県ホームページ | 令和7年(2025年)3月28日(金曜日) |
上記以外の場所(県庁窓口、広域本部での閲覧、電子入札システムでの検索) | 令和7年(2025年)4月1日(火曜日) |
※注意点として、これらの公表日はあくまで現時点での予定です。変更される可能性もゼロではありませんので、近づいてきたら熊本県のホームページなどで最新情報を確認するようにしましょう。
7.初めての経審、不安を解消しませんか?行政書士ができるサポート
さて、ここまで熊本県の公共工事に参加するための資格認定や格付の仕組み、そしてその基礎となる経営事項審査(経審)について、できるだけ分かりやすく解説してまいりました。社長さんの中には、「なるほど、全体の流れやポイントは理解できた。でも、いざ自分でやるとなると、やっぱり書類集めや作成は大変そうだな…」「決算書の見方とか、どの数字をどう申請書に書けばいいのか、専門的な部分で間違えないか不安だ」「普段の現場や経営の仕事が忙しくて、正直、申請手続きにまで十分な時間を割けそうにない…」そんな風に感じていらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。
特に、初めて経営事項審査(経審)を受けられる場合、準備しなければならない書類の種類は非常に多く、例えば決算報告書、工事経歴書、納税証明書、技術職員の資格証のコピー、社会保険の加入状況を証明する書類など、多岐にわたります。また、それぞれの書類を正確に作成し、申請書の各項目に間違いなく転記するには、建設業法や会計、税務に関する専門的な知識が求められる場面も出てきます。
もし、少しでもご不安を感じていらっしゃるなら、あるいは、貴重な社長の時間を申請手続きに費やすのではなく、もっと経営や現場の仕事に集中したいとお考えなら、ぜひ私たちのような建設業を専門とする行政書士にご相談いただくことを検討してみてください。私たち専門家にご依頼いただくことで、社長さんには次のようなメリットがあります。
建設業専門の行政書士がお手伝いできること
サポート内容 | 社長にとっての具体的なメリット |
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面倒で複雑な書類作成の代行 | 経審の申請書はもちろん、会社の状況を示す様々な付属書類を、法律やルールに則って正確かつスピーディーに作成します。社長は、書類作成のストレスから解放され、本来集中すべき経営判断や現場の指揮に時間とエネルギーを注ぐことができます。 |
必要書類の漏れ・不備防止 | 申請に必要な書類は何か、どこで取得するのか、といったことから丁寧にサポートし、収集漏れや記載不備がないか、専門家の目で厳しくチェックします。これにより、申請の不受理や手戻りといった時間のロスを防ぎます。 |
申請手続きそのものの代行 | 完成した申請書類一式を、社長に代わって、熊本県庁などの定められた窓口へ提出します。社長がわざわざ役所に出向く必要はありません。 |
単なる代行ではない、評点アップのための戦略的アドバイス | 私たちは、ただ言われた通りに書類を作るだけの代行業者ではありません。社長の会社の決算内容や事業の状況を詳しくお伺いし、分析した上で、「どうすれば経営点(P点)を少しでも高くできるか」「技術点では、どの項目を伸ばすのが効果的か」といった、評点アップのための具体的なアドバイスをさせていただきます。熊本県の最新の格付基準や評価の傾向を踏まえ、貴社にとって最適な戦略をご提案し、公共工事受注の可能性を最大限に高めるお手伝いをします。 |
毎年の更新も安心、継続的なパートナーシップ | 経営事項審査は、一度受ければ終わりではありません。公共工事への参加を続ける限り、原則として毎年(決算が終わるごとに)更新の手続きが必要になります。私たちが継続的にサポートさせていただくことで、うっかり更新を忘れるといった事態を防ぎ、常に最新の有効な状態で公共工事の入札に参加できる体制を維持します。社長の会社の成長を、長期的な視点で見守り、支えるパートナーでありたいと考えています。 |
「専門家に頼むと費用がかかるのでは…」とご心配されるかもしれません。しかし、社長ご自身が慣れない手続きに多くの時間を費やすことや、もし申請内容に不備があって受注機会を逃してしまうリスクを考えれば、専門家に依頼するメリットは決して小さくないはずです。
「まずは、うちの会社の場合、経審を受けるとどんな評点になりそうか、概算だけでも知りたい」「評点アップのために、具体的にどんなことができるのか、話だけでも聞いてみたい」「費用はどれくらいかかるのか、見積もりが欲しい」どんなことでも結構です。初回のご相談は無料にて承っておりますので、どうぞ、まずはお気軽にお問い合わせください。無理な勧誘などは一切いたしませんので、ご安心ください。
まとめ
今回は、建設業許可を取得されたばかりの社長さんに向けて、公共工事という新たなステージへ進むための重要な鍵となる「経営事項審査(経審)」について、特にここ熊本県における令和7・8年度の最新情報も交えながら、できるだけ分かりやすく解説してまいりました。
最後に、今回の長い記事の中でお伝えしたかった重要なポイントを、もう一度簡潔にまとめておきましょう。
この記事の最重要ポイント(おさらい)
今年は特別な年です | 令和7・8年度は、2年に一度の入札参加資格の定期受付、いわゆる「表年」です。 |
格付が重要になる業種 | 土木一式、建築一式、舗装、電気、管の5つの主要業種では、会社の総合力に応じた等級分け(格付)が行われ、これが受注できる工事の規模に影響します。 |
評価の二本柱 | 格付の基礎となる評価は、経審で客観的に算出される「経営点(P点)」と、熊本県が独自に評価する「技術点」の合計である「総合点数」です。 |
点数だけでは決まらない | 最終的な等級は、総合点数に加えて、平均完成工事高、技術者の数、自己資本額といった「資格要件」を満たしているかどうかも合わせて判断されます。 |
技術点のルール変更 | 今回の格付から、「エコアクション21」の評価が廃止され、より柔軟に等級を選択できる「等級変更希望措置」が追加されました。 |
技術点アップの鍵 | 日々の「工事成績」を良くすることはもちろん、「地域貢献活動」への参加、「若手人材の雇用・育成」、「研修への参加」といった地道な努力が評価に繋がります。自社でできることから始めましょう。 |
結果の確認方法 | 格付の結果は、熊本県庁の窓口や県のホームページ、電子入札システムなどで確認できます。公表スケジュール(令和7年3月末~4月初旬)も覚えておきましょう。 |
困ったときは専門家へ | 初めての手続きで不安な場合や、評点アップの戦略について相談したい場合は、私たち建設業専門の行政書士がお力になります。お気軽にご相談ください。 |
経営事項審査(経審)は、公共工事を受注し、会社の事業をさらに発展させていくためには、避けては通れない、最初の、そして非常に大切なステップです。手続きが複雑に感じられるかもしれませんが、その仕組みを正しく理解し、自社の強みを活かすための準備と対策をしっかりと行えば、必ず乗り越えることができます。そして、経審をクリアし、適切な格付を得ることは、会社の社会的な信用を高め、安定した経営基盤を築き、新たなビジネスチャンスを掴むための大きな力となるはずです。
もし、このブログを読んでもまだ解消されない疑問点がある、あるいは、「うちの会社の場合は、具体的にどう進めればいいのか?」といった個別の状況に応じたアドバイスが必要だと感じられたら、どうぞいつでも、私たち「〇〇建設業許可サポート」(ブログ名に合わせてください)までお声かけください。熊本県で頑張る建設業者の皆さまの事業の発展を、私たちは誠心誠意、全力でサポートさせていただきます。
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